ウワノキカクのキカクメモ│「問題解決」を極めるためのアイデア帳

「問題解決」を探究し続けるブログです。企業でも個人でも、抜本的なビジネス改善から日々のアイデア仕事まで、定めた目的を達成するためのあらゆる営みを「問題解決」と捉えて、理論と実践を一つの体系でシンプルに整理・統合することを目指しています。

合理的な判断力を鍛えるシンプルな方法

「合理的な判断」が「問題解決」の基礎

問題解決能力を鍛える上で最も重要なことは、常に自分を合理的な判断が出来る状態に維持し続けることです。


逆に言えば、いつも感情的・情緒的に意思決定してしまっている人は、「問題解決」というテーマからすると最も遠いところにいると言えます(そしてそれは伸びしろが非常に大きいということでもあります)。「ダイエットしたい!」と思っているとき、いかに自分の視界から甘いお菓子を除外し続けられるかが大切なのと同じことです。


もちろん、考え方のテクニックは存在しますし、訓練すればそれを使って圧倒的に短い時間で高い成果を出せる方法を見つけ出すことも可能にはなります。しかし、それらのテクニックはあくまでアプリケーションであり、使えるOSが準備されていないと意味がないわけです。そのOSの根幹をなすのが「合理的な判断」だと思ってください。


まずはその合理的な判断をするOSを起動させるためのシンプルな方法から身につけていきましょう。



自分の中の合理性を呼び覚ます呪文

「自分は合理的に考えるのって苦手なんだよな…」と自認している人も多いと思います(私もその一人です)。


しかし、どんなに非合理的に、つまり感情的・情緒的に判断しがちな人であっても、合理的な判断が全くできないという人はいません。人間誰だって、「ノーリスクで100円または1万円もらえるならどっちがいいですか?」と聞かれれば、よほど固有の事情がある人でない限り「1万円」と合理的に判断するわけです(更に言えば、固有の事情があって100円を選ぶ人は、それがその人にとっての合理的な判断なはず)。


したがって、私たちが身に着けなければならないのは、本来できるはずの合理的な判断ができないときに、自分の合理的な判断力を呼び覚まし、情動よりも合理性を優位にしてくれるワザなのです。


その魔法の呪文がこちら


「普通にやるとどうなりますか?」


この言葉を「いま自分はなんだかうまく考えられていない気がする」「頭の中がこんがらがってきたな」「やる気がでない、どうしよう」など、合理的に考えたり行動したりできていないと実感したときに、自分に投げかけてみてください。


そして、何も難しいことではありません。高度に熟慮された答えを出すのではなく、「普通にやると」という極めてハードルの低い答えを出すつもりで考えてみてください。すると、不思議なことに、合理的な判断で、かつ自分にとって大きなストレスなく実行できるプランが考えられます。


ちなみにもし、出てきたプランに対して「いや、それでも、…な理由でそれは採用できない」と思った場合は、その反論・批判を受けて、次のアイデアを考えてみてください。その出てきた理由がまっとうなものであれば、それを加味した上で答えが出せればそちらの方がより合理性の高い判断であるはずです(そしてそのプロセスそのものが「問題解決」の本質的なプロセスです)。


問題解決能力を鍛えるために、まずは合理的な判断を繰り返すことを訓練していくことが大切です。


これをやれば冷静に判断できる自分が取り戻せることを実感するのであまり気にしなくても良いと思いますが、問題解決のスキルアップを突き詰めたい人は是非以下もご参照ください。



「合理的な判断」の4つのポイント

「普通にやるとどうなりますか?」という問いが、なぜ人を合理的な判断ができる状態に変えてくれるのでしょうか?


そもそも人が「いま自分は合理的に考えられていないかも」と思うのはどういうときかと言うと、大きく分けて以下の4つに分類されます。

「合理的な判断」ができない4つのパターン
①情報不足(状況がよくわからない)
例:自部署がもっている限られた情報だけで判断してしまう
②ゴール(目的・望ましい状態)があいまい(どうなりたいかわからない)
例:衝動に負けて「ダイエットする」という目的を一時的に手放してしまう
③具体的な行動が思いつかない(どうしたらいいかわからない)
例:英語を効率よく身に着けたいが、何から手を付けたらいいかわからない
④行動が明らかでも、本当にうまくいくか自信がない(うまくいく理由がわからない)
例:上司に「~すればいいから」と言われてもどうにもやれる気がしない


①~④は、合理的な意思決定をするための必要な条件(前提・目的・行動・理由の4点:最下部論文参照)があいまいで、頭の中できちんと整理されていない状態です。


「普通にやるとどうなりますか?」という問いは、自分の中にある「普通の人」を想定して行動を考えさせるため、思考の抽象度が上げてくれます。抽象度が上がると、まずはじめに①~④の中に不十分な状態がないかを直感で探し、不十分な要素があれば「まずはそこを明らかにしよう」と考えが至ります。


ここで言っている合理的な判断とは、①~④を明確にした状態で意思決定することに他なりません。前提を確認し、目的を明確にして、具体的な行動を決める。それがうまくいく理由も考えておく。そこまでしてはじめて人は「合理的な判断をした」と感じます。


更に、「普通にやると」という言い回しが肝で、決して難しい思考を要求しているわけではないということが大切なポイントです。そう問いかけられると、人の頭はシンプルに上記①~④の整合性が取れているかを瞬間で判断するので、いつでもどこでも使えるやり方になっています。


もちろん、よりよい結論を導き出すためには、問題の分析やアイデア発想などの有効なプロセスはありますが、それは「問題解決」の領域です。ここではそれ以前の合理的に判断する状態を作るためのやり方を紹介しています。


ということで、この「普通にやるとどうなりますか?」という魔法の呪文を使うことで、まずは合理的に判断できる頭の状態を作り、日々繰り返すことで合理的な判断力を磨いていきましょう。




参考図書

論文(PDF)「科学的理論を定義する『仮説の論理構造』とよりよい社会への可能性」(サイト内下部)
www.goldrattconsulting.com