ウワノキカクのキカクメモ│問題解決のための論理・ロジカルシンキング

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「MACの原則」で目標を設定する具体的手順【参考例つき】

「MACの原則」で目標を設定するやり方が知りたい!

というのは具体的にしておきたいところ。以前「科学的に有意に達成確率が上がる目標設定の方法があるよ!」とご紹介しましたが、そこでは大枠の考え方しかお伝え出来ておりませんでした。


そこで今回は

・「MACの原則」に沿った実践的な目標設定の方法

を、実際に「MACの原則」を使い倒して目標を設定・達成してきた経験からお伝えします。

「MACの原則」で目標を設定する具体的手順

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「MACの原則」の概要おさらい

「MACの原則」とは、2011年のアイントホーフェン工科大学のメタ分析で明らかにされた達成可能性が高い目標設定の共通条件です。

  • Measurable:測定可能
  • Actionable:実行可能
  • Competent:適格(自分にあった)

の頭文字をとって「MAC-goals:MACの原則」と呼びます。


この研究成果を実践する大まかな流れは

「MACの原則」で目標を設定する具体的手順

  1. 「Measurable:測定可能」な目標設定をする
  2. 「Actionable:実行可能」なプロセス設計をする
  3. 「Competent:適格(自分にあった)」な目標・行動のチェックをする

という感じです。この記事では、このより具体的・実践的な手順と注意点を解説します。

①「Measurable:測定可能」な目標設定をする

まずは目標設定をします。

「Measurable:測定可能」ってどういうこと?

というと、具体的には数字かつ期限付きで目標を設定することを指します。

「Measurable:測定可能」な目標設定例
【営業】
✕ 今月は先月よりたくさん契約を獲得する
✕ 3件契約を獲得する
→◎ 今月中に3件契約を獲得する
 
【接客】
✕ 接客スキルを上げる
✕ お客様に喜んでいただく接客を目指す
→◎ 毎日1回お客様に「ありがとう」と言われる
 
【スポーツ】
✕ 信頼されるエースになる
✕ 得点力を上げる
→◎ 次の大会では毎試合最低5本のスパイクを決める
 
【学習】
✕ 専門書を多く読めるようになる
✕ 新学期までに専門書をたくさん読む
→◎ 入新学期までに合計10冊の専門書を読み切る
 
【健康】
✕ 健康な身体を手に入れる 
✕ 体脂肪率を25%まで下げる
→◎ 半年後までに体脂肪率を25%まで下げる

こんな感じで目標を設定してみて下さい。


一点、「期限」の設定方法ですが、以下の2通りがあります。

締切型:「~までに」
継続型:「毎日」「毎試合」など

達成判断をいつするのかが明確にわかる期限を決めよう!

というのがポイントです。「3kgやせる」だけだと、達成判断をいつすべきかわかず、結果の確認からPDCAが回せなくなってしまいます。必ず「いつ達成判断をするのか?」を明確に決めましょう。
 

②「Actionable:実行可能」なプロセス設計をする

次にプロセス設計です。「MACの原則」は

目標だけ決めても、そのためにやる行動を事前に決めておかないと意味がないよ!

ということを言っており、「目標設定」よりは「プロセス設計」の要素が強い非常に実用的な原則です。


目標達成までのプロセス設計の重要なポイントは「目標達成までに必要な要素を先に書き出し、事前にしっかり計画しておく」というところ。

①必要な要素を書き出す
②行動計画を決める

という手順で進めていきます。

「Actionable:実行可能」なプロセス設計例
【営業】
目標:今月中に3件契約を獲得する
①必要な要素
・最低10件の顧客訪問を行う
・提案書を出すときは必ず上司にアドバイスを貰う
②行動計画
・顧客からの問い合わせには必ず2時間以内に返信する【毎日】
・毎週3件顧客訪問のアポを取る【毎週】
・プレゼン日が決まったらすぐに上司に報告し、アドバイスを貰う日時を設定する【随時】
 
【接客】
目標:毎日1回お客様に「ありがとう」と言われる
①必要な要素
・お客様のお困りごとを接客中に把握する
・自分の話の引き出しを増やす
②行動計画
・接客に入る前に、お客様の外見から仕事やライフスタイルの仮説を立てる【随時】
・接客中、「~でお困りではありませんか?」と必ず質問する【随時】
・一日の接客の振り返りをする【毎日】
・「~なお客様だったらどうお話しますか?」と先輩にアドバイスを貰う【毎週】
 
【スポーツ】
目標:次の大会では毎試合最低5本のスパイクを決める
①必要な要素
・筋力アップ
・フォームの修正
・試合形式の練習量を増やす
②行動計画
・一週間の筋トレメニューを決めてやりきる【毎週】
・スパイク練習時、コーチにフォームのフィードバックを求める【随時】
・毎日必ず20分の実戦形式の練習を行う【毎日】
 
【学習】
目標:新学期までに合計10冊の専門書を読み切る
①必要な要素
・毎週最低10時間は読書の時間を確保する
・読書のモチベーションを上げる
②行動計画
・週の初めに、いつ何時間読書するかを計画する【毎週】
・友人Aに会うたびに、読書の進捗を来てもらうことにする【随時】
 
【健康】
目標:半年後までに体脂肪率を25%まで下げる
①必要な要素
・毎日の摂取カロリーを1800kcalに抑える
・適度な運動を行う
②行動計画
・食事の前に必ずその日の残りカロリーを確認する【随時】
・超過した場合は、寝る前に15分のランニングをする【随時】
・週に3回はジムで60分筋トレ&運動をする【毎週】

こうした形で、具体的な行動の計画を立てます。上記で記載しているように

・定期的な行動習慣→「毎日」「毎週」
・必要なタイミングに行う行動→「随時」

といった形で「いつやるのか?」を明確にすることが重要です。


また、それぞれの行動は実行可能な内容で記載して下さい。しばしば「毎日の摂取カロリーを1800kcalに抑える」を行動として設定してしまう場合がありますが、よく考えてみると「具体的に何を実行するのか?」が曖昧です。

これは実行可能な内容か?

を必ずよく確認しましょう。
 

③「Competent:適格(自分にあった)」な目標・行動のチェックをする

最後に、設定した目標と行動のセットをチェックします。


「Competent:適格」は、能力的な適格さ(=無理のない目標・行動か?)、関心・価値観的な適格さ(=楽しめる目標・行動か?)、性質的な適格さ(=強みを活かしているか?)といった観点からチェックしましょう。

「Competent:適格(自分にあった)」な目標・行動のチェックポイント

  • 能力的な適格さ(=無理のない目標・行動か?)
  • 関心・価値観的な適格さ(=楽しめる目標・行動か?)
  • 性質的な適格さ(=強みを活かしているか?)

これらの点から目標・行動(特に行動)を修正すると、次の様な形になります。

「Competent:適格(自分にあった)」な目標・行動のチェック例
【営業】
・毎週3件顧客訪問のアポを取る【毎週】
能力的観点から自分一人で3件のアポを取るのは難しいため、うち1件は先輩にアポのフォローを行うこととする
 
【接客】
・一日の接客の振り返りをする【毎日】
より楽しめるようにするため、振り返りの際は一人でするのではなく、同期と二人で一緒に振り返り会を行うこととする
 
【スポーツ】
・一週間の筋トレメニューを決めてやりきる【毎週】
性質的な適格さから飽きないようにするために、毎週トレーニング方法は少しずつやり方を変えることとする
 
【学習】
・週の初めに、いつ何時間読書するかを計画する【毎週】
性質的な適格さからコツコツやれる性格を活かすため、「どれだけ読書したか?」を毎日10分単位で記録することとする
 
【健康】
・超過した場合は、寝る前に15分のランニングをする【随時】
関心・価値観的観点からモチベーションを保つため、お気に入りのランニングウエアを先に購入する

無理なく楽しく継続できそう!

と思えるように、決めた行動内容を自分流にアレンジしてみましょう。
 

習慣化の仕組みを作ろう

「MACの原則」にしたがって目標・行動を設計できたならば、その達成のための行動は習慣化アプリを使いながら、忘れないように習慣化しましょう。そのための具体的なやり方については、次のリンクを参考にしてみて下さい。

参考図書

「MACの原則」を日本で大きく紹介しているのは、メンタリストDaiGo氏のこちらの書籍です。

下記のブログでも概要は解説されていますので、興味のある方はあわせてどうぞ。

おわりに

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「MACの原則」を紹介する記事はたくさんありますが、具体的な実践手順について紹介したものはあまり見受けられませんでしたので、実践者として手順を整理しました。


科学的な自己分析と目標設定を組み合わせながら、ぜひ一緒に多くの目標を達成していければ嬉しいです。

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