ウワノキカクのキカクメモ│論理的思考・問題解決のトレーニング

問題解決や論理的思考を探究し続けるブログです。企業でも個人でも、抜本的なビジネス改善から日々のアイデア仕事まで、定めた目的を達成するためのあらゆる営みを「問題解決」と捉えて、理論と実践を一つの体系でシンプルに整理・統合することを目指しています。

問題を解決しようとしてはいけない?│優秀な人が陥りがちな落とし穴

「問題解決」という仕事に携わっていると、その言葉を日常的に使うあまり「自分の仕事は問題を解決することだ!」「どんな問題でも解決してやる!」と思ってしまうことがあります。


しかし、現実は「問題を解決しよう!」と思えば思うほど、仕事はうまくいかなくなります。結果、求められる役割を十分に果たせなくなり、仕事がどんどん精神的に苦しいものになっていく。


こんなことが起きてしまう理由は、本人も知らず識らずのうちに問題解決に携わる人間にふさわしくないマインドセットに変化してしまうためです。


今回は
 

◆自身の事業を成功・発展させていきたい経営者
◆外資系コンサルティングファームへの就職・転職を考える学生、若手社会人の方
◆少ない時間で高い成果を効率よく出し続けたいと考えているすべてのビジネスマンの方

 
に向けて
 

・優秀な人ほど陥りがちな問題解決にまつわる落とし穴
・落とし穴を回避し、高い成果を出し続けるためのマインドセット

 
をお伝えしていきます。
 
 

 
 
 
 

問題を解決しようとしてはいけない?

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問題解決=目標が達成された状態を作ること

結論から言うと、問題解決とは「目標が達成された状態を作ること」です。それはすなわち「問題を解決することではない」ということです。
 
 
問題解決をしようと思うと、まずは問題を定義し、それから解決策を立案していきます。このプロセスは自体は間違っていないのですが、その中で「どのような状態を実現することを目標とするか?」とゴール設定をしないまま問題だけを見てしまうことがあります。


結果、問題ありきで解決策を考えることになりますが、そのままでは「問題が解決されるとどんな望ましい状態になっているか?」が考えられていないため
 

◆元々の問題は確かに解決したのに、別のもっと大きな問題が現れてしまい、当然努力が評価されない
◆いい変化は起きたのに相手の期待を上回れず「この程度か」と思われてしまう
◆次から次へと問題が現れ、仕事の終わりが見えなくなる

 
といった苦しい結論になってしまうことが、プロの問題解決の現場でもしばしばあります。
 
 
大切なのは…
 
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問題解決は「目標が達成された状態を作ること」という基本から忠実に外れないこと。しっかりと目標を定義し、「それさえ実現できればOK」という前提で仕事をしなければ、時間ばかりを無駄にし、精神はどんどんすり減っていき…という悪循環に陥ることまちがいなしです。
 
 

優秀な人ほど陥りがちな問題解決にまつわる落とし穴

これは、複雑な事象を的確に理解する能力がある、優秀な頭を持った人にこそ起きやすい落とし穴です。


なぜなら、普通の人なら話が難しくなってきたときに「そもそも何のためにやってるんだっけ?」とそもそも論に立ち帰るときであっても、優秀な人は「この問題の想定しうる問題は…」と筋の良い分析ができてしまうがゆえに、議論が複雑化し、当初の狙いを忘れてしまいがちだからです。
 
 
もちろん、優秀な頭脳をもっていることが悪いわけではありません。むしろ、問題解決を担う人間には必要なスキルです。大切なのは、自分のできることに溺れないように「自分の仕事は目標を達成することである」と常にマインドセットを正しておくこと。「問題を解決する」というのは得てして楽しさすら覚えるミッションですが、楽しさに甘んじることなく、ゴールへの最短距離を目指し続けることが最も重要なことです。
 
 

問題を解決しようとしてはいけない理由

ここから深堀りして「なぜ問題を解決しようとしてはいけないのか?」をもう少し考えてみます。
 
 
例えば、Aという望ましくない事象があったとき、その事象を何らかの打ち手で解消したところで、そのAという事象が起きる原因であったBが残っていれば、無限にA',A'',A'''…と別の問題が1つのBという原因から手を変え品を変え生まれてきます。
 
 
そこで原因Bに気づいてそれを頑張って解消しても、更に根の深いCという原因が残っている限り、別のB',B'',B'''…がいずれ生じてきます。そしてこれは、Cを解消しても同じこと。
 
 
つまり、「問題を解決し、問題がない状態を作る」という発想で解決策を考える限り、その意図に反して「無限もぐらたたき」を繰り返すことになってしまうのです。
 
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これが「問題を解決しようとしてはいけない理由」です。
 
 
 
 

高い成果を出し続けるためのマインドセットは?

目標達成にコミットする

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ではどうあるべきかというと、シンプルに以下の問題解決のロジックを大前提のマインドセットとして守り続けるだけです。
 
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徹底的に目標達成にコミットする。このロジックを実現することをポリシーとして守り続けることで、「そもそも何のためにやっているのか?」を常に考えるようになり、無駄が削ぎ落とされて生産性が飛躍的に向上します。
 
 

高い成果をだす問題解決者に必要な3つの要素

最後に、高い成果を出す問題解決者に必要な要素を3つ挙げておきます。
 

要素①高い人生目標
当然ですが、自分の人生目標が低いと自分が仕事に求めるレベルも低くなり、成長も成功も見込めません。すると、当然、いつまで経っても取り組める問題の質も低いままです。
 
要素②論理的思考力&思考体力
問題解決には「時間が限られている(問題が長期化するとそれだけ機会損失となる)」「チームで行動する(自分一人では意思決定できない)」という条件があります。論理的に思考・議論を繰り返し、最も合理的・効率的な行動を取り続けることが必要です。それを妥協しないだけの思考体力も要ります。
 
要素③失敗・批判を楽しめるメンタル
問題解決は目標を達成する仕事であり、問題をゼロにする役割ではありません。また、新しいことを組織に導入する必要があり、常に様々な人から批判の目にされされます。そうした中でもやり抜けるメンタルが必要です。

 
 
 
 

おわりに

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個人的には「問題解決」という言葉自体が、社会全体の生産性を下げてしまうミスリードな言葉だと感じています。
 
 
そうはいってもなかなか定着した概念は変えられませんので、「自分の仕事は目標を達成することである」と繰り返し唱えながら、問題の海に溺れないようにしていきましょう。
 
 
また、今回の説明では「原因と結果の論理」をベースに議論を展開しています。この因果関係の思考を学びたい方は、まずは以下の記事や本を読んで見ることをおすすめします。

「因果関係の思考って、そもそもなあに?」

『ザ・ゴール2』エリヤフ・ゴールドラット 著
『ザ・ゴール2 コミック版』エリヤフ・ゴールドラット 著 岸良裕司 監修

「具体的な使い方を基礎から学びたい!」

『考える力をつける3つの道具』岸良裕司 著
『世界で800万人が実践! 考える力の育て方――ものごとを論理的にとらえ、目標達成できる子になる』飛田基 著

「これはぜひともうちの子どもにも学ばせたい!」

『子どもの考える力をつける 3つの秘密道具 お悩み解決! ! にゃんと探偵団』岸良裕司 著

「因果関係の思考のプロ」として理論と実践方法を突き詰める

『頭のいい人の思考プロセス―すぐに使える、図と論理の問題解決スキル』リサ・J. シェインコフ 著
『ゴールドラット博士の論理思考プロセス―TOCで最強の会社を創り出せ!』H.ウイリアム デトマー 著