ウワノキカクのキカクメモ│問題解決のための論理・ロジカルシンキング

問題解決のためのロジカルシンキングを学ぶためのブログです。

仕事ができる人が熟考する時間をとってまで考えている3つのこと

仕事ができる人って、深く考えるときに一体何を考えているんだろう?

仕事ができる人は、得てして毎日非常に忙しくしています。


そんな人が熟考する時間をとってまで考えることには、普通の人にはない秘密が隠されているのではないかと考えました。


そこでこの記事では

・仕事ができる人が熟考中に考えている5つのこと

を筆者にとって身近な広告・コンサル業界の「この人はスゴイ」と言える人3名にインタビューして得られた回答を整理して解説します。

仕事ができる人が熟考する時間をとってまで考えている3つのこと

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仕事が出来る人は何を深く考えているか?

仕事ができる人が熟考する時間を確保し、本腰を入れて考えるとき、一体どんなことを考えているのでしょうか? 今回は、筆者がインタビューした3名から得られた内容をご紹介します。

仕事ができる人が熟考する時間をとってまで考えている3つのこと

  1. アイデアの実現方法
  2. 様々な視点からの批判
  3. 本質的に向かっている方向

数時間の考える時間があったら自分は何を考えるだろうか?

と考えて、自分の思考内容と比較しながら読み進めていただくと、違いが際立って感じられるかも知れません。
 

アイデアの実現方法

1つ目はアイデアの実現方法です。思いついたアイデアを現実に落とし込むに当たって

何をどういう順番で進めていけば成功するか?

と徹底的に考えています。


これは逆に言うとアイデアそのものを考え出すことに時間は使わないということで

・アイデアは自然と閃く
 
アイデア出しのための時間は取らない。日々、常にアイデアを考えている
 
・人と話したり一人で本を読んだり、気楽に情報をインプットしているときにいいアイデアが生まれる

広告業界のプランナーやコンサルタントなど、思考やアイデアで仕事をしている人は

アイデア自体にはそもそも価値がない!

という前提を持っています。本当に価値があるのは

・アイデアをきちんと実現すること
 
・多くの人にアイデアの価値を理解させること

アイデアを出すことは誰にでも出来るが、現実の様々な制約の中でアイデアを形にし、多くの人に「おもしろい!」と言わせることはプロにしかできない。これが、アイデア発想で仕事をする人の基本スタンスです。


では、そうした人が熟考する時間をとって何を考えているかというと

「アイデアの実現方法」を考える
・実現したときにより面白く、よりインパクトがあるのはどのアイデアか?
複数の発想からbetterなものを選び出すことが重要であり、難しいので、丁寧に時間を使って検証する
  
・そう言えるのはなぜか?
感覚的・直感的にアイデアを評価するのではなく、根拠に基づき論理的に魅力やインパクトを評価したり、より価値のあるものに磨き上げたりする
 
・どうすればそのアイデアは実現できるか?
実現するためのプロセスを具体的に想定し、どこに大きな課題がありそうか事前に目処を立て、そこを突破することに集中する
 
・アイデアの実現に必要なリソースは何か?
人・モノ・金・情報、そして時間。これらのリソースを考慮し、スケジュールの範囲内で実現させるための方法を考える
 
・どういう順番で進めていくべきか?
コンセプトを磨くのか、プロトタイプをつくるのか、然るべき人に相談するのか。実現までのプロセスを緻密に検討する

アイデアの実現方法を先々を見据えて戦略的に考える!

これがアイデア仕事の人にとって最も価値の高い時間の使い方です。


私たちも面白いアイデアを思いついたことで満足するのではなく、どうやったら実現させられるか?にこだわって考え抜く習慣をつけていきましょう。
 

様々な視点からの批判

続いて、仕事のできる人は様々な視点からの批判を考えることに時間を使っています。

・このアイデアは関係者のみんなにとってどう見えるだろうか?
 
・みんなに十分なメリットがあるだろうか?
 
デメリットがあるとしたらどんな内容だろうか?
 
・このアイデアが評価されたり、逆に別のアイデアの方が魅力的に見えたりするとしたら、どんな理由があるだろうか?

関係者の視点に立ってメリット・デメリットを徹底的に考える!

ということをやっています。


なぜ様々な視点からの批判を考えることに時間を割くのでしょうか。それは、一言で言えば自分一人で仕事をしないためです。

「様々な視点からの批判」を考える理由
・自分一人の力には限界がある
より多くの人を応援者として巻き込むことが成功の鍵。そのためには、相手の立場に立って考えることが必要になる
 
・自分だけで得られる発想や情報には限りがある
自分一人で考えると、往々にして間違った結論を出してしまう。より正しい判断をするために様々な立場の人を想定し、その立場から見てどう映るかを考えることが重要
 
・みんなにとって価値がなければやる意味がない
自分ひとりが面白いものを作ってもそれだけの価値しかないが、みんなにとって価値のあるものが作れれば、それだけやる意味が大きくなる
 
・高い成果を出すには「自分が仕事をしないこと」が重要
自分一人が100の行動をするよりも、10人それぞれに10の行動をさせるほうが、楽だし結果も早く出る。自分が仕事をしないために、みんなが動きたくなる方法を批判的に考える

より多くの人が参画し、取り組み自体の価値を高めていく。そのためにも様々な視点から批判的に考えて、その批判を乗り越える方法を見つけることが重要です。独りよがりにならず

もっと多くの人が価値を感じられるアイデアにするには?

と考える習慣は、即効性の高い有効な問いナノではないでしょうか。
 

本質的に向かっている方向

仕事のできる人は、思考の抽象度を上げて本質的にどこに向かっているだろうか?と考えることに時間を使います。

「本質的に向かっている方向」を考える
・成し遂げようとしている「真の目的」は何か?
設定している目標の先に、自分やチームが目指している本当の目的は何だろうかと言語化を試みる
 
・なぜ自分たちがそちらに向かっているのか、理由を探る
目的・目標は人や組織の価値観を反映する。「それを目指している理由」が分かれば、同時に核にある価値観や原体験を見つけることができる
 
・それはあるべき姿なのか、本質的に正しいことなのか?
理想とする姿やあるべき姿と比較して、いまやっていること、進もうとしている先は、本質的に正しい道なのか。より本質的な道があるのではないか

実務のレベルを離れ、一段・二段と思考の抽象度を上げて俯瞰して考えることで

そもそもやろうとしていることは正しいのか?

と問い直しています。ビジョンや価値観で組織やプロジェクトをマネジメントするためにも、本質的に向かっている方向に思いを馳せることはとても重要です。


こうしたことを考える理由は流れに乗って仕事をしていると、気づけば「やらされ仕事」になってしまうから。トントン拍子で仕事が進んだり、大きなチャンスが舞い込んで来るのは嬉しいこと。しかし、そうしたときこそ

自分はいまどこに向かっているのだろう?

と考えることで、自分の人生にとって価値のある、自分に正直な仕事のやり方に変えていくことが出来るようになります。
 

できる人は時間の使い方が違う

3名の仕事ができる人がわざわざ忙しい時間を縫ってまで考えていること

・アイデアの実現方法
 
・様々な視点からの批判
 
・本質的に向かっている方向

これらに共通することは

やっぱりできる人は時間の使い方が違う!

ということではないでしょうか。多くの人は

・アイデアはその内容にこそ価値がある
 
・人を巻き込むなら、自分であれこれ考えるよりいきなり本人と話したほうがいい
 
・抽象的なことよりも、目の前の仕事を進めることにこそ価値がある

自覚的に思っていなかったとしても、この様な前提を持って日々の時間の優先順位を決めている気がします。こうした前提に対して

・アイデアは内容よりも実現方法のうまさに価値がある
 
・人を巻き込むなら、まずは自分で徹底的に関係者の気持ちを考える
 
・仕事が前に進むときこそ、抽象度を上げて本質的な流れや方向性を考える

こうした人とは違った考え方の前提をもつこと、そしてしっかりとそこに時間を確保して取り組むことが大きな違いです。

これは今の自分にとって重要だ!

と思うものは、ぜひ日々の時間の使い方を見直しながら、熟考する時間を確保してみてください。

おわりに

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高い成果を上げる人は、一体どんなことに重要な時間を使っているのかを明らかにしました。


このブログでは、高い成果を出す人の思考方法を分析し、実践可能な体系にする記事を投稿していますので、ぜひ以下もご参照ください。

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