ウワノキカクのキカクメモ│論理的思考・問題解決のトレーニング

問題解決や論理的思考を探究し続けるブログです。企業でも個人でも、抜本的なビジネス改善から日々のアイデア仕事まで、定めた目的を達成するためのあらゆる営みを「問題解決」と捉えて、理論と実践を一つの体系でシンプルに整理・統合することを目指しています。

価値観や強みを活かす科学的目標設定│自己分析で目標達成する方法

「自己分析で価値観や性格、強みを分析して、その軸に沿って目標を設定することが大事だ」ということを「軸に沿った目標を設定する」という形で紹介しましたが、

「自分の軸にそった目標設定」ってどうやったらいいの?

普通の目標設定と何が違うのか、まだちょっとピンときていない

という疑問や腑に落ちていない感じがある方もいらっしゃるかと思います。これまでこの点を深堀りできずにいましたが、メタ分析によって科学的には成果も明らかで、具体的な手順もある領域です。


そこで今回の記事では

「自己理解を目標設定に活かす」てどうやったらいいの?

という具体的な方法論を、科学的根拠とともにご紹介していきます。

価値観や強みを活かす科学的目標設定

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科学的目標設定の全体像

今回の手順の全体像は以下の通りです。

価値観や強みを活かす科学的目標設定方法

  1. 本当に達成したいと思える目的を決める
  2. 自己分析結果を端的に言語化する
  3. 「MACの原則」に従って目標と行動を設定する

非常に基本的なことですが、忘れられがちなこととして

「達成したい!」という思いの強さが一番大事

という基本を忠実に守りながら手順を進めていくのが大事ですね。
 

目標設定の科学的根拠

この方法の科学的根拠は、大きく2つの研究によって支えられています。
まず1つ目です(興味が無い方は飛ばしてください)。

The Effect of Goal Setting on Group Performance: A Meta-Analysis(2011)

  • オランダのEindhoven University of Technology(アイントホーフェン工科大学)の研究で、目標設定に関する質の高い38件の先行研究を対象にしたメタ分析
  • 目標が曖昧なグループに比べて、困難かつ明確な目標を設定したグループは高い成果を上げた(d = 0.80 ± 0.35, κ = 23 effect sizes)
  • 達成可能性が高い目標設定の共通の特徴は「Measurable:測定可能」「Actionable:実行可能」「Competent:適格(自分にあった)」であり、頭文字をとって「MAC-goals:MACの原則」と呼ぶ

MACな目標設定が高い成果を生む!

ということです。この研究をより実践的に発展させたのが、2つ目のこちら。

The Science of Goal Setting

  • 人間の行動科学の研究員であり、科学雑誌・ビジネス誌にも数多く貴稿する著述家でもあるVanessa Van Edwardsが提唱する科学的な目標設定プロセス
  • 目標設定を、再現性の高い具体的な10のステップに整理

細かく見ると難しく感じるところもあるかもしれませんが、より実践的にまとめると次のようなプロセスになります。
 

目標設定の具体的手順

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本当に達成したいと思える目的を決める

目標設定の第一歩目は「本当に達成したいと思える目的を決める」です。

「目的」とは

  • 実現したいと思う事柄や状態
  • 「何のために?」の答え

自分が実現したいのはどんな状態?

自分は「何のために」頑張るのか?

といったことを考えて、出てきたものが目的です。


・家族と快適に暮らすためにもっと収入を増やしたい
・自分の興味関心で稼げる仕事に就けている
・もっと海外でいろいろな人や体験に触れられる

内容は何でもOKですが、ここで大切なことは「本当に達成したいと思っているか?」です。

●本当に達成したいと思っている
○ 目的を意識すると自然とワクワクして頑張ろうと思える
○ 何故それを目指すのか、嘘偽りのない自分の言葉で説明できる
 
●本当に達成したいと思えていない
✕ 目的を意識すると、「できたらいいけど、でも…」と大きな懸念やもやもやが頭をよぎる
✕ 仕事や立場上、達成することが求められてるが気持ちが入っていない

感情的・直感的な自分の反応も確かめながら

自分は本当に取り組みたいのか?

と自問自答しながら目的を明らかにしましょう。
 

自己分析結果を端的に言語化する

次に「自己分析結果を端的に言語化する」です。この点については「「ブレない軸」を言語化する」ということで紹介しました。


性格診断サービス価値観分析のワークの結果を使いながら、自分自身がブレない軸として大切にしたい価値観や強みを短い言葉にまとめましょう。


#危ない橋は渡らない【百発百中の判断力】
#果てしない熟考【徹底した戦略的思考】
#妥協とは無縁【高い目標達成能力】

「MACの原則」に従って目標と行動を設定する

最後に、「MACの原則」を使って目標と行動を設定します。

MACの原則(MAC-goals)

  • Measurable:測定可能
  • Actionable:実行可能
  • Competent:適格(自分にあった)

科学の現状の結論は、これらを満たしていることが達成可能性を高めるためのポイントだということでした。まずは目標の設定の仕方です。

「目標」とは

  • 目的の実現のために設定した目当てや指標
  • 目標は達成したか否かがはっきりとわかるように「Measurable:測定可能」に設定する

 
「Measurable:測定可能」な目標設定
・目標を数字で設定する
例:2kg痩せる / 毎週10km走る
・目標の期限を設定する
例:12/31までに / 1ヶ月以内に

目標は達成したかどうかも勿論大事ですが、それ以上に

達成したかどうかが、誰の目にも明らかか?

が最も重要です。


次に、行動設計です。

目標達成に向けた行動設計

  • 目標達成のために「具体的に何をするのか?」行動を明確化する必要がある
  • 行動は「Actionable:実行可能」でなければならない

 
「Actionable:実行可能」なプロセス設計
・曖昧な表現を避けて具体的に書く
 ✕ ランニングを頑張る
→○ 毎日20分ランニングをする
  
・結果ではなく行為を書く
 ✕ 一日のカロリーを1800kcalに抑える
→○ 食事の前に必ずカロリーを計算する  

曖昧な言葉では行動の意識付けが十分にできません。また、行動を考えるべきところ、実現したい結果(中間的な目標)を書いてしまうのはよくあることですので注意しましょう。


最後に自分にあった目標・行動かどうかをチェックします。

目標・行動のチェック

  • 目標・行動は自分の価値観や性格、強みに合致したものでなければならない
  • 設定した目標・行動が「Competent:適格(自分にあった)」かどうかを確認する

 
「Competent:適格(自分にあった)」な目標・行動のチェック
・「その目標を達成できたら本当に嬉しいか?」を考える
・「その行動はやる価値を感じながら実行できそうか?」を考える
・「その行動は自分の強みを活かしているか?」を考える
→Yesでないものはその観点から内容をチューニングする

前提として、しっかりと自己分析ができていないと

なんとなくいい気がするけれど、またこれまで通り辞めてしまいたくなるような…

という予感がします。立脚する自己理解があやふやだと、目標や行動の計画に自信が持てなくなります。つまり、多くの人が計画段階で既に失敗しているということです。


自分に合った目標・行動が設定できると

これならうまくやれそうだ!

というポジティブな気持ちが湧いてきますので、モチベーションの高まりが確認できたらOKです。
 

参考記事

「MACの原則」についてはメンタリストDaiGo氏が日本に紹介したことによって知られたと言っても過言ではありません。以下の記事もぜひご参照ください。

おわりに

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以上が自己分析をベースに目標を達成し、高い成果を生み出していく科学的な方法論です。


自己分析から目標設定について

・自己分析って、具体的にどうやったらいいの?
・どんなサービスがあるの?
・無料でもできるの?
・自己分析したら、次はどうしたらいいの?
・目標設定のうまいやり方は?
・日々の習慣にするにはどうしたらいい?

といったところについては「自己分析と目標達成の基礎講座」として以下のリンクにまとめていますので、興味がある方はぜひ御覧くださいませ。
blog.uwanokikaku.xyz

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