ウワノキカクのキカクメモ│問題解決のための論理・ロジカルシンキング

問題解決のためのロジカルシンキングを学ぶためのブログです。

仕事が辛い理由│論理的思考で強いメンタルを作るには?

「仕事が辛い…」「もうやめたい…」と思うことはありませんか?


一度そういうモードに入ってしまうとなかなか抜けだせず、その状態が長く続くと「自分にはもうできることはない」と諦め、本格的に転職を検討し始める…といったことにもつながっていきます。


現実的には転職には大きなメリットが得られる可能性も十分にあるため否定はしませんが、現在の会社の待遇に不満が無く、辛い理由にも耐えられるメンタルがつくれるのであれば、あえてリスクを取る必要もないかもしれません。


今回は、以上のように
 

・「仕事が辛い」と感じている人
・「自分のメンタルを手っ取り早く鍛えたい」と思っている人
・メンバーのメンタルを改善し、チームのパフォーマンスを引き出したい人

 
を対象に
 

✓ 「仕事が辛い」と感じる理由
✓ メンタルを手っ取り早く改善させるための論理的思考実践法
✓ 人生目標の設定の仕方

 
をご紹介していきます。
 
 

 
 
 

「仕事が辛い…」と感じてしまう理由とは?

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「問題回避モード」に陥っているから

結論から言えば、目の前の問題ばかりに意識がフォーカスしまう「問題回避モード」に陥っているからです。
 
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問題回避モードにある限り、その状態で何を考えてもすべてがリスク回避・自己防衛の対症療法となります。状況が改善する本質的な行動が取れず、苦しい状態が長期化します。


そもそも人間はポジティブ・ネガティブの両面を持ち合わせていて、あるときはポジティブ、あるときはネガティブと、状況によってメンタルモードを使い分けています。しかし、ある一定の原因があるとそのモード切り替えがうまくいかなくなり、継続的にどちらかのモードに居続けることになってしまいます。

モード切り替えが機能しなくなる原因

その一定の原因とは、大きく分けて以下の3つです
 

●もともとの気質
ビッグファイブの「神経症傾向」が高い人ほど、ストレスや不安に反応しやすく、問題回避モードに陥る可能性が高まります。
 
●生活の安定度
衣食住を支える収入や家族・親族・友人等との人間関係など、生活のベースが安定しているほど、精神の安定性が高まり、問題回避モードになりにくくなります。
 
●体調・睡眠時間
風邪などで体調が悪かったり、6時間を切るような短い睡眠時間が続いていたりすると、問題回避モードに陥りやすくなります。

 
こうしてみると、私たちが意識的にコントロールできるのは後半2つです。そして、職場での人間関係や長時間労働などを抱えていることが問題なのであれば、「なんだ、何もできることがないじゃないか!」と思えてしまうほど。
 
 
そこで今回は、論理的思考を活用することによって、自分で意図的に「目標達成モード」で居続けるための方法をご紹介します。
 
 
 
 

「目標達成モード」で居続けるための論理的思考方法とは?

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「達成したい目標は何ですか?」と質問する

やるべきことは、自分に対して目標達成モードの質問をするだけ。「仕事が辛い…」とふさぎ込んだときには、自分に対して「達成したい目標は何ですか?」と質問してみましょう。


大切なのは「考える」ではなく「質問する」ことです。なぜなら、この場で最も優先すべきは、とにもかくにも問題回避モードからいち早く脱することで、答えそのものを見つけることではないからです。問題回避モードにいるとき、筋の良い「これだ!」と思える答えをひねり出そうと無理に考え込んでもなかなかうまくいきません。かえって「なんで自分はそんなことも考えられないんだ…」と落ち込んでしまいます。
 
 
しかし「質問する」であれば、ぼんやりと頭の中に問を置いておくだけです。答えを出すというより、ぼうっと頭の中で「目標かあ…何だろうなあ…」と巡らせてみる。すると、仮にその答えが見つからなかったとしても、問題回避モードから目標達成モードに徐々に気持ちが変わっていきます

目標と問題のロジック

なぜ自分に質問するだけでうまくいくのでしょうか? まず前提として、人が問題を感じるときには以下の因果関係のロジックが必ず存在しています。


 
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※「因果関係のロジック」や「原因と結果の論理」については以下のエントリーもご参照ください
【図解】論理的思考とは何か│論理の型でロジカルシンキングの実践法を紹介 - ウワノキカクのキカクメモ│論理的思考のトレーニング
 
 
問題とは、現状と目標のギャップから生まれてきます。逆に言えば、問題があるということは、必ず目指している目標があるということ。「達成したい目標は何ですか?」と自分に質問すれば、意識を目標に向けることができ、目標達成モードに向けて自分を動かしていくことができます。
 
 
こう言うと、「でも、目標なんて本当にないんです」という意見もしばしばあります。でも、果たしてそれは本当でしょうか?


多くの場合、目標はあるのに自分がしっくりくる言葉で表現できていなかったり、「そんな目標を持ってはいけない」と自分で抑え込もうとしていたりすると、「自分に目標なんてない」と思ってしまいがちです。論理的に考えて、問題があるということは必ず目標があるということ。自分の気持ちや欲求に正直に向き合い、自分の中にある意識を認めるところがスタートです。
 
 
ぜひ、上記の「目標と問題のロジック」を頭に入れながら、「達成したい目標は何ですか?」と自分に質問してみてください。
 
 

「人生目標を設定してしまう」という手も

自分のメンタルを安定的に保つならば、「ぶれない自分の人生目標を設定する」というやり方もあります。人生を賭けて達成したい高い目標を言葉にしてしまえば、いちいち自分に質問しなくてもいいわけです(そしてもちろん、人に公開する必要もありません)。


ポイントは以下の3点です。
 

◆感情が動く目標か?
目標の内容はどのようなものでも構いませんが、自分の感情が動き、読み上げただけでワクワクするような内容であることが重要です。きれいごとではなく、自分の気持ちを揺さぶる力強い目標設定にしましょう。
 
◆十分に高い目標か?
人は本能的に常に何かを求めています。無意識のニーズより低い目標を設定しても本能を抑えることはできませんので、それを越える十分に高い目標を言葉にしましょう。
 
◆毎日すぐに思い出せるか?
目標設定ができたなら、はじめのうちは一日数回見直すことを習慣にしましょう。スマホや手帳にメモしながら朝昼晩と3回くらいは見返すと良いと思います。

 
よく「SMARTな目標設定を」と言ったりもしますが、メンタルを維持向上するためなら「感情が動く」が達成できていれば十分です。人生目標をうまく使いながら、目標達成モードに自分を置き続けられるようにしていきましょう。
 
 
 
 

おわりに

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ポイントを振り返ります。
 

✓ 「問題回避モード」がずっと続くととにかくしんどい!
✓ 「達成したい目標は何ですか?」と自分に質問しよう!
✓ 問題を感じるとき、論理的には必ずその裏には目標がある!
✓ 感情が動く人生目標が設定できればメンタルが安定する!

 
問題回避モードに陥っているときは、そもそも合理的な判断ができなくなっています。そういうときは、以下の記事を参考にしながら合理的な判断力を回復することも有効です。
 
合理的な判断力を鍛えるシンプルな方法と4つのチェックポイント - ウワノキカクのキカクメモ│論理的思考のトレーニング