ウワノキカクのキカクメモ│論理的思考・問題解決のトレーニング

問題解決や論理的思考を探究し続けるブログです。企業でも個人でも、抜本的なビジネス改善から日々のアイデア仕事まで、定めた目的を達成するためのあらゆる営みを「問題解決」と捉えて、理論と実践を一つの体系でシンプルに整理・統合することを目指しています。

【解答編】論理的思考力(問題解決力)テスト│「消えた解答」でトレーニング

この記事は、以下の問題の解答編です。
 
 
論理的思考力(問題解決力)テスト│「消えた解答」でトレーニング - ウワノキカクのキカクメモ│論理的思考・問題解決のトレーニング
 
 
この記事では『論理的な人の27の思考回路』(フォレスト出版/北村良子 著)から引用させていただきながら、論理的思考をテスト・トレーニングするための良問を出題します。問題は引用・一部改編していますが、解説は完全オリジナルです。
 

論理的な人の27の思考回路

論理的な人の27の思考回路

 
  

 
 
 

【解答編】論理的思考力(問題解決力)テスト│「消えた解答」でトレーニング

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それでは早速答えを見てみましょう。
 

【解答】A B B B A

 
答えそのものがあっていたかどうかよりも、論理的かつ再現性のある方法で考えられたかどうかがポイントです。


自分の考えたプロセスを以下の解説と見比べて、ぜひ「こうすれば論理的に答えが導き出せるのか!」と学びを見つけていただければと思います。
 
 
 
 

問題をどう読み解くか?【問題の分析】

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問われている論理はどれか?

「論理的思考には3つのテーマがある」というのはこのブログで繰り返し伝えていることですが、今回のテストは「分析と総合の論理」の能力が問われる問題になっています。
※「具体と抽象」や「原因と結果」が明らかに関係ないように見えますよね


「分析と総合の論理」とは、ある問題をそのまま理解するのではなく、全体をより小さな部分に論理的に分割することで、全体を見ていただけでは得られなかった解決のためのアイデアが得られるようになる、という考え方です。
 

良くない解き方
✕ 問題文や表を全体として眺めて考える
✕ なんとなく比べてみる
 
理想的な解き方
◎生徒の解答内容や点数を個別に見て個々の特徴を捉える【分析】
◎見えてきた特徴から言えることを組み合わせて答えを作る【総合】

 
「表の中から意味のある特徴をいかに効率よく掴めるか」がこの問題の勝負所でございます。

着目すべき点はどこか?

では、今回の問題で着目すべき点はどこかというと、40点を取った「ウチダ」です。
 
 
その理由を一言でいうと、「『ウチダの解答』は『ほぼこの問題の答え』だから」。ウチダの「ABBAA」という解答は4/5で正解しており、あと1問だけ当たっていればこの問題で求められている答えそのもの。「答えまであと一歩」に迫っている情報を活用しない手はありません。
 
 
また、問題解決に詳しい人であれば「自由度」という概念をご存知かもしれません。 
 
 
今回の場合、AB2通りの解答ができる5つの問題であるため、2×2×2×2×2=32通りの解答パターンがあります。その点数は0点・10点・20点・30点・40点・50点と6パターンありますが、それぞれの場合の数(=自由度)は以下のとおりです。
 

解答パターンの場合の数(自由度)
0点 1通り
10点 5通り
20点 10通り アイカワ・イトウ・エンドウ
30点 10通り オカダ
40点 5通り ウチダ
50点(満点) 1通り

 
今回の問題では、ウチダのみ40点で自由度が低く、他の生徒は自由度が高くなっています。このように自由度に差があるときは、自由度の低いものから注目して攻めていくのが問題解決の王道です。
 
 
 
 

最短距離の論理的思考法は?【解答の考え方】

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ウチダから分析をはじめる

ということでウチダから見ていくと、答えにたどり着く考え方として以下の2つが導き出されます。
 

解法①「答え」のパターンを書き出し、総当りで確かめる
ウチダの回答「ABBAA」のうち、どこか1つの解答のABを入れ替えたものがこの問題の答えである。
5つの問題のABを1つずつ入れ替えれば5パターン作れるので、それを書き出し1つずつ検証して辻褄が合うものを見つける。
 
解法②ウチダと誰かを比較する
ウチダと他の生徒を比較しながら、問題1から問題5の正答を類推しながら答えを作っていく。

 
以下、1つずつ解説していきます。
 
 

解法①「答え」のパターンを書き出し、総当りで確かめる

ウチダの解答「ABBAA」から、1つのABを入れ替えたものは、「BBBAA」「AABAA」「ABAAA]「ABBBA」「ABBAB」の5パターン。
 
 
これらが答えだとしたときに、アイカワからオカダまで、5人全員の生徒の点数が問題文と合致するものを選べばOKです。例えば、「BBBAA」を検証すると、アイカワは20点で合致しますが、イトウが40点になってしまい問題と矛盾が生じるため、正しくないということがわかります


検証のプロセスは割愛しますが、この方法でいくと4つ目の「ABBBA」のみが辻褄が合うことがわかります。
 
 

解法②ウチダと誰かを比較する

ウチダと比較すべき候補は4人いますが、優先的に比較すべきはイトウとエンドウの2人です。その理由は先程の自由度の考え方です。


イトウとオカダの2人はウチダと3問の解答が重複しており、「比較して違いを見る」という観点からすると2問だけを見ればよく自由度が小さい。一方で、アイカワとオカダは2問の重複、3問が違う解答であり、「違いを見る」という点では自由度が高くなり、考慮すべき要素が多くなってしまいます。「自由度が小さいものから優先的に検討する」というルールに従って、ウチダとイトウ、ウチダとエンドウの2人ずつを比べます
 

ウチダとイトウの比較
▼回答
「ABBAA」「BABAA」→問題3~問題5の解答が重複、問題1・2が異なる
▼得点
40点と20点→20点の差

  
異なる部分に注目すると、問題1・問題2の答えが違うだけで得点には20点の開きがあります。つまり、得点が勝っているウチダがこの2問で正答していたことがわかります。
 

わかったこと
問題1の正答=A
問題2の正答=B

 
同様に、ウチダとエンドウを比べると、同様に以下のことがわかります。
 

ウチダとエンドウの比較
▼回答
「ABBAA」「BBBAB」→問題2~問題4の解答が重複、問題1・5が異なる
▼得点
40点と20点→20点の差
  
わかったこと
問題1の正答=A
問題5の正答=A

 
以上をまとめると「問題1=A」「問題2=B」「問題5=A」となります。


最後に、ここまでわかった情報をまだ情報を使っていないアイカワやオカダに代入します。例えばアイカワに代入すると、問題1・2・5で10点を取っており、残った問題3・4のいずれかで得点している必要があります。更にオカダに代入すると、問題1・2・5で10点を取っており、問題3・4で20点分を取る必要があります。結果、オカダは問題3・4ニ問共に正答しているはずですので問題3・4ともにBである必要がわかり、答えが「ABBBA」と導き出されます。
 
 

   

おわりに

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今回の問題で扱った、論理的に考えて解答を導く上でのポイントを整理します。
  

①「3つの論理」のどれが主題となっているかを見極める!
→「分析と総合の論理」と分かれば、1つずつを丁寧に分析すべきことがわかる
②「自由度」の観点から分析を進める!
→自由度の小さいものから検討すれば、最速・最短・論理的に答えが導ける
③「比較」で情報を細かく比べることが「分析」のポイント!
→分析の進め方で迷ったら、丁寧に比べて違いを見つけることに集中する

 
これらの指針を持っていれば、この問題は比較的容易に解けるはずです。
 
 
一見難しく見える問題も、論理的に考えることで問題から解答まで、迷わずに一直線で解くことができました。ぜひ、論理的思考を自分のものにしてください。
 

おわりに

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また、このブログでは

他にも良いテストってないの?

というニーズにお答えして「論理的思考力・問題解決能力テスト」を。

論理的思考力や問題解決能力ってどう鍛えたらいいの?

という声には「思考の教科書」を。

人のパフォーマンスや目標達成能力を鍛えることってできるの?

というお悩みには「自己分析&目標達成の基礎講座」を用意しておりますので、そちらもぜひご参照くださいませ。
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