因果関係の思考を実践に活かすには、「ブランチ」という手法を学ぶ必要があることをお伝えしました。
※まだの方は以下の記事を御覧ください
因果関係の思考を鍛えるには?│「原因と結果の論理」の実践方法 - ウワノキカクのキカクメモ│問題解決のための論理・ロジカルシンキング
そこで、「ブランチの考え方はわかったけれど、具体的にどうやって作ったら良いの?」というところをこの記事では説明していきます。実際にやってみれば分かる通り、非常に奥が深い思考方法です。シンプルなツールで本質的なことが考えられるようになりますので、ぜひ一歩ずつトレーニングしていきましょう。
「ブランチ」の作り方
「ブランチ」基本の作成手順
ブランチの作成手順は以下の通りです。
ブランチの基本の作成手順
- 出来事の原因と結果を1つずつ書き、矢印でつなぐ
- その結果が起きた理由を原因側に追加し、バナナでむすぶ
- できたロジックを読み上げ、ロジックチェックをする
- ロジックの内容を修正する
※ブランチについては以下の本をぜひ御覧ください。
まずは直感を働かせて、「これによってこれが起きた」というつながりを書き出し、矢印でつなぎます。そして、そう考えた理由を言葉にし、原因側に追加して、先に書いていた原因とバナナで結びます。これでブランチが一旦完成します。
その上で、「もし~(原因)なら、結果として~(結果)ことになる。なぜならば~(理由)から」と読み上げます。読み上げてすっと理解できればOK、違和感があればどこかのボックスの内容を修正します。
「ブランチ」実践例
手順に沿って例を作成していきます。
1 出来事の原因と結果を1つずつ書き、矢印でつなぐ
「ご飯を食べ過ぎる(原因)」→「体重が増える(結果)」という因果関係を考えたとします。
2 その結果が起きた理由を原因側に追加し、バナナでむすぶ
「カロリーが過剰になる」という理由を考えたとします。それを原因の側に起き、「ご飯を食べ過ぎる」という原因とバナナで結びます。
3 できたロジックを読み上げ、ロジックチェックをする
「もし~(原因)なら、結果として~(結果)ことになる。なぜならば~(理由)から」というフレームに当てはめて読み上げます。
①もし「ご飯を食べ過ぎる」なら【原因】
②結果として「体重が増える」ことになる【結果】
③なぜならば「カロリーが過剰になる」から【理由】
4 ロジックの内容を修正する
上記の内容で違和感があれば、その箇所を修正します。なければこれで再現可能性の高いロジックの完成です!
「なんだかうまくいかない…」ロジックチェック&修正のポイント
やり方はシンプルですが、それ故「なんだかうまくいかないなあ」という状態に陥ることも多々あります。ここでは、よくあるミスを3つ取り上げながら、どの様にロジックチェックを行い、再現性の高いロジックを作っていくかのポイントを整理します。
言葉があいまい
ボックス(箱)の中に書いてある言葉があいまいだと、読み上げたときに「あってるような、あってないような…」という感覚に陥ります。そういうときは、言葉をより具体的にわかりやすく言い換えましょう。
「論理的思考」を身につける上で、「必死に努力しましょう!努力は裏切りません!」と言われる。
▼ロジック
「必死に努力する【原因】」×「努力は裏切らない【理由】」→「論理的思考が身につく【結果】」
「まあ、間違っちゃいないけど…」という感じがしませんか?こういうときは、より具体的な言葉で言い換えるとロジックの説得力が増します。
「論理的思考」を身につける上で、「3ヶ月間、1日1時間訓練しましょう!試行錯誤の蓄積が、その人の能力そのものなのです!」と言われる。
▼ロジック
「3ヶ月間、1日1時間訓練する【原因】」×「四国錯誤の蓄積がその人の能力である【理由】」→「論理的思考が身につく【結果】」
原因が足りない
例では原因を1つだけ挙げていますが、原因が1つだと結果を説明しきれない場合も多いです。そのときには原因側に2つめの原因を足してみましょう。すると、より納得度が高いロジックが作れます。
▼ロジック
「一回の食事量を減らす【原因】」×「摂取カロリーが減る【理由】」→「減量に成功する【結果】」
ダイエットをしたことがある方なら、「いやいや、これだけじゃだめでしょ!」と感じるかもしれませんね。2つ目の原因を入れましょう。
▼ロジック
「一回の食事量を減らす【原因1】」×「間食も徹底的に我慢する【原因2】」×「摂取カロリーが減る【理由】」→「減量に成功する【結果】」
※「2つ目の原因」という考え方は以下の記事でも考察されていますので、ぜひ御覧ください。
経営者が20代のうちに知っておきたかった「ロジカルシンキング」の基礎の基礎① ~「2つ目の原因」を語れ~ - ウワノキカクのキカクメモ│問題解決のための論理・ロジカルシンキング
他の結果も考えられる
上記の「原因が足りない」と同じことですが、書いた原因と理由の組み合わせだけでは、別の結果も考えられる場合があります。そういう場合は、原因を追加するか、結果の表現を書き直してみましょう。
「一回の食事量を減らすだけではダイエットは成功しません!それだけでは間食が増えて結局変わらないということになってしまうのです…」という悲痛な声も。
▼ロジック
「一回の食事量を減らす【原因】」×「摂取カロリーが減る【理由】」→「間食が増えて結局変わらない【結果】」
ということで、そうした批判の声も受けて、誰もが納得する表現に結果を言い換えることにしました。
▼ロジック
「一回の食事量を減らす【原因】」×「摂取カロリーが減る【理由】」→「お腹がすきやすくなる【結果】」
これなら文句は言われないかもしれませんが、問題は解決していません。そこで、応用編として、2段階のロジックを組むことにしました。
▼ロジック
「一回の食事量を減らす【原因1】」×「摂取カロリーが減る【理由】」→「お腹がすきやすくなる【結果1】」×「間食も徹底的に我慢する【原因2】」×「摂取カロリーが減る【理由】」→「減量に成功する【結果2】」
結局は「食事量を減らす」「間食を我慢する」の2つが同時になければならないということですね。
おわりに
この記事ではブランチの作り方を学びました。
ブランチについては以下の本で具体的な実践方法や、この記事では書いていないような活用方法も書かれていますので、ぜひ御覧ください。
因果関係の思考をより実践的に活用するため、以下の「論理的思考の基礎講座」もぜひ御覧ください。
引き続き「言い換え」「構造化」「因果関係」の3つの論理の型についての解説を増やしていきますので、TwitterのフォローやSNSでの記事のシェアなどよろしくお願い致します。
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