ウワノキカクのキカクメモ│問題解決のためのロジカルシンキング

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本質的すぎてつまらない論理的思考力のたった1つの鍛え方│思考・論理・理由の定義と使い方

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私は大学3回生の頃に就職活動をはじめましたが、当時は外資系のコンサルティングファームを志望していたこともあり「論理的思考」「ロジカルシンキング」と名のつく書籍を、有名なものから順に片っ端に読み進めていました。


それはそれで非常に学びのある経験ではありましたが、いま思うと「だいぶ遠回りしていたな」という気がしています。


そこで今回は

・10年前の自分に教えたい「論理的思考力」の鍛え方

について話をしていこうと思います。

本質的すぎてつまらない論理的思考力のたった1つの鍛え方

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【結論】「理由」を考え抜く

今の自分が10年前の自分に教えたい、論理的思考力のトレーニング方法は、一言で言えば「理由」を考え抜くということです。


そうは言っても、

理由を考えることが大事だ!

というのは10年前から明確に意識していたので、これだけを過去の自分に伝えても「知ってるわ!」と言われてしまいます。


が、一周回ってここが原点であり本質であると現時点では考えているので、過去の自分に飽きられないよう、この点については少し丁寧に解説していきたいと思います。
 

「理由」を考え抜くことが大切な理由

「理由」を考え抜くことが大切な理由には、過去の自分が認識していなかった重要なポイントがいくつかあるので、それを1つずつ明らかにしていきます。


まず、当時の自分が盲信していた「論理的思考力」というスキルそのものについての認識が重要です。


大学生の頃の自分は

「外資系のコンサルティングファームって何かかっこいい!」
 ↓
「採用されるためには『ロジカルシンキング』がどうやら必要らしい!」
 ↓
「ロジカルシンキングって何かすごそう!」

という単細胞ぶりでしたので、「論理的に考える」ということそのものの意味など理解していませんでしたし、考えたこともありませんでした。


論理的思考という言葉を理解するには、「論理(的)」と「思考」の2つの言葉の意味を明確にすることが必要ですので、まずは本体である「思考」の方から説明していきます。
 

【理由①】「思考」とは何か?

「思考」とは、「自ら問いを立て、その答えを出すこと」です。より端的に言えば「自問自答」という四字熟語で表せます。


この定義のポイントは

◆「自ら」問いを立てる必要がある
他人に与えられた問いをそのまま考えるだけでは思考とはいえない
与えられた問いからスタートするときは、必ず自分で問いを立て直す必要がある
 
◆「答え」を出さなければならない
「答え」を出すことができて初めて「考えた」と言える
問いだけがあり、答えを出さないのは「考える」ではなく「悩む」である

意識したいのは

与えられた課題について考えるだけでは「考えた」とは言わない

ということ。上司に「~の企画ネタ、考えておいて」と言われて、企画ネタだけを列挙しても「考えた」とは言わないわけです。


大切なのは

「なぜこの課題が与えられたのか?」
「なぜいまこの課題に取り組む必要があるのか?」
「この課題をクリアすることでその先に何を達成したいのか?」

このように、与えられた問いの周辺にある様々な事情についても問いを立て、自分なりに理解した上で、与えられた課題「にも」答えることが重要だということ。

言われたことをしっかりやりました!

では、仮に言われた通りのことをこなしたとしても、決して十分な水準のアウトプットが出せませんし、言われたとおりにやる能力だけならAIの方がはるかに高いので、なかなか価値を発揮することもできません。


詳しい内容は以下の記事でも解説していますで、興味がある方はぜひそちらを御覧ください。


さて、「思考」という言葉の意味合いがわかったとして、そこに「論理(的)」という言葉がついていることの意味がはっきりしなければ、「論理的思考」という1つの言葉の意味がわかりません。


次は「論理」あるいは「論理的」という言葉の意味を確認しましょう。

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【理由②】「論理」あるいは「論理的」とは何か?

シンプルに説明すれば、「論理」とは「つながり」のことで、つまり「論理的」とは「つながっている」ということ。


では、「何と何がつながっていれば良いのか?」と言うと、それは「結論と理由」です。

【結論】私は~だと思います。
 +
【理由】なぜなら、…だからです。

こうした一連の言葉で表現される結論と理由のつながりがある状態が論理的という状態です。


もちろん、何でもかんでもつなげればよいというわけではありません。「風が吹けば桶屋が儲かる」という小噺がありますが、

【結論】私は、桶屋が儲かると思います。
 +
【理由】なぜなら、風が吹いたからです。

確かにつながっている様に話してはいますが、十分に納得できる内容にはなっていませんよね。


人が論理的と認められる「つなぎ方」には一定のルールがあり、それをこのブログでは「論理の3つの型」と呼んでいます。

・言い換え
・構造化
・因果関係

という3つの型に沿ってつないだ場合、人は「なるほどね」と納得することができます。


つまるところ、論理的思考とは以下のように説明されるわけです。

論理的思考とは
自ら問いを立て、その答えを「結論+理由」のつながりとして、論理のルール(3つの型)に沿った形で導き出すこと

3つの型の詳しい内容は関連記事に譲りますが、ここで重要なポイントは

つなぎ方には3種類ある(1種類ではない)

ということ。


「論理的思考」「ロジカルシンキング」というテーマでは、様々な思考ツールが登場します。「ロジックツリー」などが有名です。


個々の思考ツールは、「3つの型」のどれかを実際に実行する際にあると便利なものであることは間違いありません。しかし、裏を返せば、1つの思考ツールに長けたところで、3つあるつながりのうちの1つしか扱えないということに気づかなければなりません。

いま自分が学んでいるのは3つのうちのどの論理か?

を明確に意識しなければ、非常に偏ったスキル習得になりかねません。


かつての自分も、MECEやロジックツリーを中心とした「構造化」の論理ばかりを訓練しており、それが使えるようになることがすなわち論理的に考えられることだと誤解していました。


それで実際に、何度も痛い目にも遭いました。


もしかつての自分がこの全体観をしっかりと理解していれば、変に驕ることなく、手段に溺れることなく、必要なことを正確に把握しながら短時間で学ぶことができたはずです(まあ、そういった痛い目を見てきたからこそ今の自分があるのですが)。

【理由③】「理由」とは何か?

さて、この文章の本題は「論理的思考力の最高のトレーニング方法は『理由』を考え抜くことだ」ですが、最後にこの「理由」という言葉を説明しておきます。


実はこの「理由」という言葉は、辞書的な定義を読んでもあまりピンとくることが書いてありません(「思考」や「論理」もそうです)ので、ぜひ以下のように覚えていただくと良いのではと思います。

理由とは
問いに対する答えのうち、「結論」以外の部分すべて

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思考の成果物は「問いの答え」ですが、その答えは「結論+理由」で構成されます。


そして、答えのうち、「結論以外の部分すべて」を「理由」と定義します。


この定義は、もしかしたら直感に反するかもしれません。文字通り受け取ると

結論以外のことは何を言っても理由だ!

ということになってしまいますが、実際に理由を説明するときにはもっと複雑なことを考えている(ような気がする)からです。


例えば、「まだ言うのは早いかな」と思い、会社の同僚に黙って転職活動を進めているとき、「何で最近そんなに忙しそうにしてるの?」と理由を聞かれたとしたらどう答えるでしょうか。


「もう少し自分の気持ちが固まってから本当のことを言いたいな…」
「でも、完全に嘘をつくのも気が引けるしな」


などと考えながら、「スキルアップしたくて、いろいろ勉強してるんだ」と答えたとします。


この内容を分解すると

【目的】スキルアップする
【原因】いろいろと勉強をする(ことに時間を使っている)

「理由」の説明として、自分の目的や忙しさの原因を伝えています。


しかし、この説明には伏せているところがあり、より強い理由である本音のところは次の様なものでした。

【前提】今の職場の待遇に不満がある
【目的】条件のよい転職先を見つける
【仮定】スキルアップすればよりよい待遇の仕事が見つかる

そんなとき、同僚に「へー、何でそんなにスキルアップしたいの?」と更に理由を尋ねられたらどうでしょうか。「嘘をつかない」と固く自分に誓っている限り、上記の隠していたことをいよいよ話さざるを得なくなります。


このやり取りから、「理由は、自分が認識し、かつ、相手が認識していないことでなければならない」というルールが見えてきます。


少し条件を変えてみましょう。


相手の同僚が【前提】「今の職場の待遇に不満がある」ということをすでに知っていたとします。そのときに「スキルアップしたくて、いろいろ勉強してるんだ」と答えると、「なるほど、さてはお前、スキルアップして転職しようとしてるんだな」と勘づいてしまうかもしれません。


そこで、バレないようにするために「いろいろ勉強してるんだ」だけ答えることにしました。


この2つのやり取りの比較からわかることは、次の2つです。

◆理由とは、自分が認識していることのうち、相手が認識していないことである
 
◆理由を答えるときには、相手にわかってもらう(あるいは「わからないようにする」)ためには何を教えるべきかを考えている

これらが「理由を説明するために考えていること」であり、理由説明の難しさです。


理由とは「結論以外の部分すべて」であり、その広範な情報の中から「相手に伝えるべきこと」だけをピックアップして説明するものなのです。


的確に理由を説明するためには、「自分が何を知っているか(説明できるか)」に加え、「相手は何を知らないか」を的確に見抜かなければならず、ここが理由説明の非常に難しいところです。


長く説明してよいのであれば思いつくすべてを語ればよいのですが、相手の関心にあわせて答えなければ「そんなことは知っているよ!」と怒らせてしまうかもしれません。
 

「理由を考える」とはどういうことか

ここまで、「思考」「論理」「理由」という3つの言葉を定義しながら解説してきました。


以上の内容を理解した上で、「論理的思考力の最高のトレーニング方法は『理由』を考え抜くことだ」という言葉を読むとどう見えるでしょうか?


「理由を考え抜く」ということの実際的な意味は、以下のすべてを考慮することです。

・人から与えられるのではなく、自分で問いを立てる
・問いを立てたら必ず答えを出す
結論と理由を明瞭にする
・論理として許される「3つの型」を踏まえる
・必要な内容を自分の言葉で説明する
相手の認識を瞬時に判断し、必要十分な内容だけを伝える

これらのことをすべて当たり前のこととしてできるようになったとき、論理的思考力が十分に鍛えられたということになります。

これは結構難しいな…

と思ったならば、ぜひ上記のポイントを意識しながら「理由を考え抜く」ということを訓練されてみてください。
 

参考情報

ここまでの内容を踏まえて、「もう少し学んで見よう」と思う方にオススメの情報を整理します。


まず、このブログでは「論理的思考」をテーマにした一連の記事を作成していますので、今回の内容をもう少し深堀りしたい方は「論理的思考の基礎講座│ロジカルシンキングの苦手意識克服プログラムまとめ」をご覧ください。


次に、書籍で学びたい方には以下の本がオススメです。

「結論+理由」のセットを論理的に導くための最も基礎的なやり方は、この本で紹介されている「ゼロ秒思考」ですので、もしまだ知らない方は非常に簡単な実践方法なのでぜひ御覧ください。

おわりに

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大事なことなので何度も繰り返しますが、論理的思考力を高めるための本質的なトレーニング方法は「理由を考え抜く」です。

でも、具体的には実際どうやったらいいの?

については、上記で紹介した記事や書籍等をぜひご覧いただければと思います。
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