ウワノキカクのキカクメモ│問題解決のための論理・ロジカルシンキング

問題解決のためのロジカルシンキングを学ぶためのブログです。

論理的に話す人は必ず○○と○○を意識している│ロジカルコミュニケーションの組み立て方

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話し方が筋道だっていて、いつも論理的に説得力をもって話せる人は、そうでない人と比べて何が違うのでしょうか?


実は○○と○○を意識するだけで簡単に論理的な話し方の順番を組み立てることが出来るようになります。

論理的に話す人は必ず○○と○○を意識している

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「論理的でない話し方」とは?

そもそも「論理的でない話し方」というと…

・話が長い
・結論が見えない
・重要なところがどこかわからない
・感覚的、感情的な表現が多い
・認識や情報に誤りがある

といった内容に対して言われること。


しかし、話している本人も「あえて分かりづらい話し方をしてやろう」と思っているわけではなく、当然、自分の考えをきちんと相手に伝えたいと思って話しているのです。


伝えたい思いがあるのにうまく伝わらない人。そんな人に欠けてしまっているのが、本題の「○○と○○への意識」です。
 

論理的に話す人が意識している2つのこと

上記のようにうまく伝えられない人がいる一方で、どんな状況、どんな相手でもスムーズに意思疎通が図れるコミュニケーションの上手な人がいます。


こうした人々の最も大きなギャップは

話の「スタート」と「ゴール」への意識の差

にあります。


論理的なコミュニケーションが得意な人は、具体的な相手を思い浮かべながら

<スタート>
・相手はこの話をどこまで知っているのだろう?
・相手の知らない情報は何だろう?
・相手はこの件について詳しいだろうか、それとも素人だろうか?
 
<ゴール>
・相手に理解してほしい内容は何だろう?
・話を通じて相手にどんな風に思ってもらいたいだろう?
・相手が懸念や反対を示すとしたらどんなことについてだろう?

というように、必ず話の「スタート地点」と「ゴール地点」を考えながら話しています


この「スタート」と「ゴール」の意識が明確になるだけで、ロジカルな話の組み立てが飛躍的に向上します。以下、もう少し詳しく見ていきましょう。
 

1.スタート地点を確認する

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論理的に話すために最初にすることはスタート地点を確認するです。


ここでいう「スタート地点」とは、カンタンに言えば相手と共有している前提を指します。

話の「スタート地点」とは
「相手と共有している前提」のこと

例えば、高校1年生の子どもをもつ親が、子どもと一緒に卒業後の進路について話をするのであれば

▼スタート地点(相手と共有している前提)
・子どもは現在高校1年生である
・学校によっては文系・理系、コース選択などで、部分的に進路選択がスタートしている
・高校を卒業したら多くの人は大学に進学している

といったことがスタート地点=相手と共有している前提です。


反対に言えば

・親としては子どもには将来家業を継いでほしい
・学費の面から国公立大学に進学してほしい
・大学にはなるべく実家から通ってほしい

といった親が抱いている要望は子どもからすれば知らないことであり、話のスタート地点にすることはできません。


開口一番いきなり「あなたには将来家業を継いでもらいたいんだけど」と話し始めると、子どもとしては自分の想定・納得していない前提からスタートすることになり、なかなかスムーズに話を始める事ができません。

話のスタート地点にできる、相手と共有している前提は何だろう?

と考えるのが、論理的に話すための第一のポイントです。
 

2.ゴールを設定する

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続いて重要なのがゴールを設定するという考え方です。


ここでいうゴールとは相手と合意したい結論のことを指します。

話の「ゴール」とは
「相手と合意したい結論」のこと

人とコミュニケーションを取ることの本質的な狙いは自分と相手の合意点を明確化することです。「この人とはわかりあいたくない」という人を相手にコミュニケーションすることはありませんよね。


しかし、私たちはその最も重要な目的について、あまり意識しないままに話をしてしまうことが多々あります。例えば

・会議の目的が曖昧なままに議論が始まり、時間が来たところで話を終える(会議の目的が達成出来たのかは誰にもわからない)
・問題が起きたときに「とりあえず相談しなきゃ」と思い、焦って相談するもののうまく状況が説明できない

こうしたとき、「自分は相手と何を合意したいのか?」という話のゴールをイメージしていないことが問題です。


話のゴールを明確にイメージしないままに話を始めてしまうと、想定外の相手の反応によって元々考えていたこととは違う方向に話がそれてしまったり、場合によっては相手に言い負かされたりしてしまいます。

この話はどこに持っていきたいのか?

を事前に考える習慣が、コミュニケーションの質を上げてくれます。
 

ロジカルコミュニケーションの組み立て方

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スタートとゴールの間をどう埋めるか?

ここまで、論理的なコミュニケーションのためには話のスタートとゴールを意識しようということを解説しましたが、その具体的な実践上のポイントとして

スタートとゴールの間をどうやって埋めるか?

まで押さえておくことが必要です。


折角、話のスタートとゴールを明確化しても、「でも、相手にどうやって話したらわかってもらえるだろう…」がはっきりしていなければ、結局はうまく話せないままになってしまいます。


話のスタートとゴールを明確にしたら、次は以下の3つのことを考えてみましょう。

ロジカルコミュニケーションの組み立て方

  1. 課題・障害を書き出す
  2. 同意が得やすいものから順に並べる
  3. 一歩ずつ階段を上がるように伝える

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以下「高校1年生の子どもをもつ親が、子どもと一緒に卒業後の進路について話をする」というシーンを想定しながら具体的に考えてみましょう。


コミュニケーションの組み立てを考えるために、まずは話のスタートとゴールを確認します。

▼スタート地点(相手と共有している前提)
・子どもは現在高校1年生である
・学校では文系・理系、コース選択などで、部分的に進路選択がスタートしている
・高校を卒業したら多くの人は大学に進学している
 
▼ゴール(相手と合意したい結論)
・「家族の思いも考慮した上で、自分の意志で進路を決める」ということを合意する

当然ですが、ここで設定するゴールは相手の立場を考えて、相手にとってもプラスに感じられる内容である必要があります。


あくまでもゴールは「合意」です。お互いにとって良い内容でなければ、そもそもそのコミュニケーション自体が破綻してしまいますので注意しましょう。
 

1.課題・障害を書き出す

コミュニケーションの内容を作り上げるには、まずは課題・障害を書き出すをやりましょう。


スタート地点からゴールに到達するうえで、「こういう課題をクリアしなければならない」「こんな障害があって難しい」という内容を書き出します。

【例】課題・障害を書き出す
・子どもにはまだ親の思いを伝えたことがない
・「地元の大学に実家から通う」というのは、子ども本人にとっては魅力的ではなさそうだ
・子ども本人もまだ進路についてはあまり考えていないようだ

こうした内容が残ったままでゴールである「「家族の思いも考慮した上で、自分の意志で進路を決める」ということを合意する」に到達することは極めて困難です。

ゴールに到達するために乗り越える必要がある課題・障害はこれだ

と思うものをまずは書き出します。
 

2.相手の同意が得やすいものから順に並べる

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続いて相手の同意が得やすいものから順に並べるをします。


書き出した課題・障害を見直して、「この障害は比較的ラクに乗り越えられる」「この課題は結構難しいよな…」という感覚に基づいて同意が得やすい順番に並べます。

【例】相手の同意が得やすいものから順に並べる
①子ども本人もまだ進路についてはあまり考えていないようだ
②子どもにはまだ親の思いを伝えたことがない
③「地元の大学に実家から通う」というのは、子ども本人にとっては魅力的ではなさそうだ

相手の姿をイメージしながら1つずつ課題を乗り越える姿をイメージした時に、相手との関係の中でスムーズに乗り越えられそうな順番を考えてみましょう。
 

3.一歩ずつ階段を上がるように伝える

そして最後が一歩ずつ階段を上がるように伝えるです。


目指すゴールは「「家族の思いも考慮した上で、自分の意志で進路を決める」ということを合意する」ですが、ここにたどり着くために一つずつ課題・障害を乗り越えて行く必要があります。


設定した順番に従って、丁寧に一つずつクリア出来るように話し方を頭の中でイメージしてみましょう。

【例】一歩ずつ階段を上がるように伝える
①子ども本人もまだ進路についてはあまり考えていないようだ
→「そろそろ進路についても考え始めよう」と子どもが思う
 
②子どもにはまだ親の思いを伝えたことがない
→「親としても一緒に進路を考えたい」ということを知ってもらう
 
③「地元の大学に実家から通う」というのは、子ども本人にとっては魅力的ではなさそうだ
→子どもにとって魅力的な進路とはどのようなものなのか一緒に考える

このように具体的な話の内容と順番を事前に考えておくことによって、論理的な話の展開をつくることができます。
 
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なぜこれで論理的になるのか?

なぜこうした手順を踏むことが論理的な話し方になるのでしょうか?ここには2つのポイントがあります。

相手は、結論に関係のなさそうな話が続くと「この人は話の要領を得ない人だ」と感じます。話し手が自分の中でゴールを明確にすることで結論に関係の無い内容を削ぎ落とすことができ、聞き手にとってもストレスのない話し方になります。


そして、課題・障害を易しい順番に1つずつクリアするように話すことで、相手にとってはスムーズに理解できる話の流れになります。


合意することが難しい課題がはじめに出てくると、相手は大きなストレスを感じます。理解しやすいところから話が始まることで、論理的に飛躍のない、理由に納得できるロジカルなコミュニケーションを組み立てることができます。

推薦図書

今回の内容を受けて、より実践的なテクニックを学びたい方には以下の本をおすすめします。

まずは話のゴールを設定しよう

という基本のポイントから順に、実践的な話し方・考え方を学ぶことができます。

おわりに

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論理的思考を身につける!

というのはビジネスマンであればすべての人に求められる基礎的なこと。
 

「論理的思考は身についていて当たり前」という世界でより早く闘うためにも、以下の記事を参考にしながら学びを深めていきましょう。

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