社内でロジカルシンキングの研修を行う目的は何でしょうか?勿論、社内のメンバーの思考スキルを高めることを通じて、組織のパフォーマンスを高めることです。
実務の中で研修内容を実践できるようにするためには、ロジカルシンキングの特定の手段を一方的に教えるのだけではなく、「自分の仕事に活かすならどうしたらいい?」と自分ごととして考えさせる工夫が必要です。
そこで今回の記事では
・「考えさせるロジカルシンキング研修」のやり方と実践的のための資料
をご紹介します。
「考えさせるロジカルシンキング研修」のやり方と実践のための資料
「ロジカルシンキング研修」で陥りがちな失敗
「ロジカルシンキング研修」を社内で行うとき、多くの場合は外部の研修会社を使うことが一般的のようです。
専門の会社ですので研修の内容は素晴らしく、研修実施後の参加者の理解度・満足度も高いのですが、その後の実務の様子を見ると「あまり変化が起きているようには思えない…」という声も耳にします。
外部講師を招いた「ロジカルシンキング研修」を実施する際の課題は
・考え方を学んでも、実務で活かされない
・一ヶ月経つと、学んだ内容を忘れている
折角の費用と時間をかけてこうした結果となることを防ぐには
・「実務に沿って考えさせる研修」を行う
・学習機会を継続的に設定する
人間は忘れる生き物である
特にロジカルシンキングという抽象的な内容であるが故に、研修の内容も抽象的になりがちですので、他の研修テーマに比べて意識的に実務への接続を考えて研修を設定すること、繰り返しの学習機会を設けることが必要になります。
「実務に沿って考えさせる」研修内容例
では、具体的にどのような研修を行うとよいのでしょうか。ウワノキカクで制作した「ロジカルシンキング研修用パワーポイント資料」をベースに研修内容例をご紹介します。
当商品に関する記事はコチラ
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「なぜロジカルシンキングが必要なのか?」を考えさせる
研修を行うにあたって、そもそも「なぜロジカルシンキングを学ぶ必要があるのか?」に納得するのは非常に重要なステップです。
参加者が納得して学びを進めるために、「ビジネスは組織のみんなの共同作業である」という前提に立った上で
①みんなが違うことを考え、足並みがばらばらな組織
②みんなが納得して、同じ方向を目指している組織
という2つの組織の姿をイメージしながら考えてみる、というやり方があります。
スライドの左右で対比されている状態を、過去の経験や現在組織で起こっていることと紐付けて考えることで
みんなのコミュニケーションがスムーズな組織でありたい!
質問内容例
・これまでの経験で「みんなの足並みが揃わずに大きな時間や労力がかかってしまった」ということはありませんか?
・そのときには具体的にどんなことが起こっていましたか?
・そうなってしまったのは、何か原因がありましたか?
・反対に、「みんなが同じ方向に集中してうまくいった」という経験はありますか?
・そのときには具体的にどんなことが起こっていましたか?
・うまくいった秘訣は何だったと思いますか?
・私たちはどういう組織でありたいだと思いますか?
・そのためにはどんなことをすると良いと思いますか?
「~だからロジカルシンキングが必要です」と講師から説明するよりも、問いかけによって自分の経験に紐付けて考える方が理解が深まるはずです。
ワークショップ形式で発言を促すことによって、「なぜ研修で学ぶのか?」「現在の仕事のどんなところを良くしていきたいのか?」という目的意識が明確になり、学習意欲も向上します。
「論理的とは?」を考えさせる
続いて、ロジカルシンキングの核心である「論理的」という概念について自分の言葉で整理を促すことやり方です。
参加者が考えるにあたって、まずは「論理的」という言葉について
・「結論」と「根拠」のつながりが明確であり
・確かな「根拠」によって「結論」が十分に信頼できること
という考え方を共有します。
その上で、結論と根拠を闇雲に繋げばいいわけではないということを確認します。
こうした前提の上で、参加者のみなさんには
①「論理的」とはどういうことか?
②「論理的でない」とはどういうことか?
ということを質問し、具体的な経験に紐付けて考えてもらうことによって、「論理的」という難しい概念も自分の言葉で説明できるようになります。
ご紹介している本商品「ロジカルシンキング研修用パワーポイント資料」では、上記のように「やってみよう」という項目がありますので、スライドの内容に沿って質問していくことで自然と考えさせる質問ができます。
「考えさせる研修」のためのコツ
このような「考えさせる研修」を実施するためのコツを3点まとめました。
1.わかりやすい言葉で質問する
質問をする場合は、相手にとって答えやすい、わかりやすい言葉で質問しましょう。
「~という経験はありませんか?」であれば「Yes/No」で答えられますし、その経験を共有してほしい場合は「具体的にはどういう経験でしたか?」とはっきりと質問することが大切です。
「この質問は相手にとって十分にわかりやすいだろうか?」と質問の文章を考えましょう。
2.出てきた発言は否定しない
研修の流れ上「こういうことを答えてほしい」という意図を持って質問することがありますが、その通りにならなかったとしても出てきた発言を否定してはいけません。
誰かの発言を否定すると、「次は自分も否定されるのではないか」「流れに沿ったことを言わされるのではないか」という気持ちを生み、発言しにくい空気につながります。
想定外の発言があった場合は、発言してくれたことに感謝を伝えつつ、「理由を深堀りして聞く」「他の人に意見を聞く」などして対応しましょう。
3.質問は事前に考えておく
このように「考えさせる研修」を行うのは、決して簡単ではありません。
質問の内容を明確な文として用意しておく必要がありますし、「その質問をするとどんな回答が返ってくるか」「どうしたら質問の意図通りの発言が引き出せるか」など、事前にシミュレーションしておくことが大切です。
「教える」から「考えさせる」に準備の力点を変えていきましょう
このような「考えさせる研修」を繰り返し行うことで、組織に新しい考え方を定着させていきましょう。
ロジカルシンキングの研修資料を作成するのはとても手間のかかることですので、ご自身で教える場合は、ぜひこちらの商品もご活用いただければと思います。
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おわりに
このブログでは、論理的思考、本質思考、仮説思考といった様々な思考法のコンセプトから実践方法の解説、また、自己分析や目標設定から習慣化に至る目標達成のプロセスについて解説しています。
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<総論>
◆【第1講】「考える」の実践的定義を学ぶ
◆【第2講】論理的思考の本質を理解する
◆【第3講】論理を使って「理由」を深堀りする方法
◆【第4講】論理的思考の完全講義【図解】
<各論>
◆構造化の思考「ロジックツリー」実践上のポイント
◆因果関係の思考とは何か
◆因果関係の思考「ブランチ」実践上のポイント
◆論理的思考・合理的判断をインストールし組織の業績・パフォーマンスを高めるには?
<商品販売>
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◆「なぜ論理的思考が必要なのか?」ロジカルシンキング研修資料の冒頭をご紹介
◆「考えさせるロジカルシンキング研修」のやり方と実践のための資料
<まとめ>
◆論理的思考の基礎講座│ロジカルシンキングの苦手意識克服プログラムまとめ
◆思考の教科書【全体解説】
◆本質思考の基礎講座
◆仮説思考の基礎講座