ウワノキカクのキカクメモ│問題解決のための論理・ロジカルシンキング

問題解決のためのロジカルシンキングを学ぶためのブログです。

「うまくいかない」に慣れすぎた私たち│論理を現実世界でどう扱うか

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私たちは「うまくいかない」ということに慣れすぎています

・言いたいことが表現できない
・会議がいつもムダに長くなる
・結果を出すにはがむしゃらにやるしかない
・「すごい人」のようなことは自分にはできない

様々な諦めが私たちにはあり、諦めたことにすら気づかず毎日を過ごしています。

現実はこんなもの

物分りよく、うまくいかない現実を受け入れることが大人になることだとさえ思っています。
 

「うまくいかない現実」との向き合い方

ここで人は、大きく3種類に分かれます。

1)うまくいかない現実と共存する人
2)うまくいかない現実から逃避する人
3)うまくいかない現実をいつか乗り越えようとする人

最も多いのは「1)うまくいかない現実と共存する人」。


高望みせず、いまあるものの範囲での幸せを模索する人


いや、「思いつく努力をすればたどり着けそうな未来」くらいはイメージしていて、その日が来るまでコツコツと努力を続ける。


いい人でも悪い人でもない、様々な意味で普通の人。


「2)うまくいかない現実から逃避する人」は、それぞれの立場で許される限り社会生活を縮小し、不都合な現実を直視しなくて住む暮らしを営む。


「逃避」には程度があり、人付き合いを避けることから始まり、引きこもり、厳しい場合は自死にすら至る。


「現実は自分にはあまりに荷が重い」と感じる。


「3)うまくいかない現実をいつか乗り越えようとする人」は、うまくいかない現実を、一旦受け入れているかどうかで少し違う。


一度受け入れた上で「いつか」を狙う人は、強い。


一方、逃避の代わりの反発力で動く人は、短期的にはものすごい力を発揮するが、そのエネルギーはいつか途絶える。


1~3は「うまくいかない現実にどう向き合うか?」のバリエーションでしかないという点で、どれも同じようなものです。
 

苦境の中で笑う人

私たちの生き方は、本当にこれらしかないのでしょうか。


実は、私たちは、同じ社会の中には1~3のどれでもない、なんとも言えない魅力ある人が一定数いることを知っています。


例えばこんな人。

■大失敗をしたのに、心底嬉しそうな笑顔を見せる人
■大恥をかいたのに、自信を損なわない人
■傍から見たら大ピンチなのに、挑戦を諦めない人
■これらが一瞬の強がりではなく、生き方として確立している人

自己肯定感のある人とでも言うのか、へこたれない精神の持ち主です。


こうした人は、ただメンタルが強いわけではありません。


勿論、結果的にメンタルが強いことは間違いないですが、それは「強烈なストレスをものともしない」という強さではなく、「次にどうしたらいいか知っている」ことから生まれる強かさです。


先が見えている。


だから、笑うのです。


こうした人々の認識は、そもそも「うまくいかない現実」ではありません。


丸めたティッシュがゴミ箱に入らなかった。


その時「現実はうまくいかない」と悩む人はおらず、自ら拾って入れ直すだけです。


同様に「次、どうするか」の確信があれば、どんなときも「うまくいかない」とは思わないのです。


逆に言えば「どうしたらいいかわからない」と思った瞬間、1~3のどれかを選ぶしかなくなります。

・受容
・逃避
・いつか乗り越えると誓う

全て「次、どうするか」がない時の道。


ならば「うまくいかない現実」の受け入れ方に悩むより、常に選択肢を持つための方法を探すべきではないでしょうか。
 

「論理を使う」という方法

「言ってることはわかるけど、それが難しいから困るんだ」が普通の反応です。


結論を言ってしまえば、「論理」を理解していれば「次、どうするか」を常に見つけることができます


「次、どうするか」の着想があるときはその正しさを吟味し、ないときは「何を問えばいいか」を常に教えてくれます。


「論理」には3つの型があります。

・言い換え
・構造化
・因果関係

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3つの型にはそれぞれ2つの問いがあり、都合6つの問いに沿って考えると、必ずそのときに必要な情報、次の着想をひねり出すことができます。

どんなときでも、考えることは6パターンしかない

これが論理の扱い方です。
 

論理の型「言い換え」の使い方

「言いたいことがうまく表現できない」ときは、「言い換え」を使います。


言いたいことを

・具体化:例えばどんなことなのか
・抽象化:その意図・目的は何なのか

と言い換えて話すことで、聞き手との理解のズレを無くすことができます。


伝わらないのは、伝わるための情報が足りないからです。


映画の面白さを伝えるとき

「すごく面白かった!」

では情報不足で伝わりません。

具体化「最後の10分での伏線回収が凄かった」
抽象化「そういうストーリーが好きならぜひ見て欲しい」

ここまで言葉にして初めて意図が伝わります。


これが「言い換え」という論理の型が教えてくれる話し方です。


相手の話を理解するときも同じこと。


「言いたいことは何だろう?」と思ったならば

具体化:「例えばどういうこと?」
抽象化:「その話をしたのはなぜ?」

と具体・抽象を会話の中で聞き出すことで、理解のズレを無くし、スムーズなコミュニケーションをリードすることができます。
 

「論理の型」とは何なのか

これはただのライフハックではなく、情報認識の仕組み「抽象度」の概念を使った論理の話


人が意思疎通できるのは、単語を理解するからではなく、それが使われる文脈を共有できるから。

「【のどが渇いた(抽象)】から【水】がほしい。【いろはす(具体)】取って」

これで一つの意味のまとまり。


人間が「わかった」と言えるのは、その事柄一つを理解したときではなく、その周辺にある人まとまりの情報まで理解することができたとき。


意味のまとまりのことを心理学ではゲシュタルトと言ったりしますが、そのゲシュタルトを作るための実践的な方法論が「言い換え」という論理の型なのです。


今回は駆け足で「言い換え」という論理の型をご紹介しましたが、この他「構造化」「因果関係」という論理の型についても少しずつ解説していきます。

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