ウワノキカクのキカクメモ│問題解決のための論理・ロジカルシンキング

問題解決のためのロジカルシンキングを学ぶためのブログです。

合理的な意思決定の根幹「構造化の論理」具体的実践方法①ー分析

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論理には3つの型があり、中でも「構造化」という論理は合理的な意思決定には必要不可欠だという話をしております。


しかし、その「構造化」という論理の型を実際にどのように使うのか、具体的な実践方法にはイメージがわかない方も少なくないと思います。


そこで今回は

・「構造化の論理」の使い方

を解説します。

「構造化の論理」の具体的な実践方法

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「構造化の論理」とは

早速、具体的な実践方法をご紹介していきますが、「構造化って何?」「何がいいの?」という方は先にこちらの記事をご覧いただくとより理解が深まりますので、先に読んでいただくことをおすすめします。

ここからは

「構造化の論理」を使いこなせるようになろう!

という方のために、HOWの部分をご紹介していきます。
 

「分析」の実践例

まず、「構造化」の実践方法の一つ「分析」についてです。


「分析」とは、あるテーマを具体化しながら部分に分けて整理すること。

・具体化する
・部分に分ける

という2つの作業を同時に行っているということをしっかり認識しましょう。


具体的な例で見るとわかりやすいので、例えば以下のようなシーンを考えてみましょう。


5人の学生を集めてテストを行い、その平均点を見たら60点だった。
今回のテストは合格ラインを60点に設定したので、平均点を聞いたA先生は「決して満足のいくレベルではないが、ギリギリOKな許容範囲である」と判断した。

さて、A先生の判断は合理的だと言えるでしょうか?


上で紹介した記事でも触れていますが、合理的な判断を行うためには情報の構造化が必要不可欠です。


情報の構造、全体像を理解することなく、「5人の学生の平均点は60点だった」という一つの見方だけで意思決定すると大きく間違ってしまうおそれがあります。


そこで、具体例を進めます。「平均点も合格ラインも60点」という話を聞いたB先生は、以下の様に情報の構造化を考えました。

(続き)
「平均点も合格ラインも60点」と聞いたB先生は、「全員が一律に60点でない限り、合格者と不合格者に分かれるはずだ」と思い、それぞれの点数をチェックすることにした。
そこで、それぞれの点数を分析してみると、1人が100点満点で、後の4人は50点であることがわかった。
この結果を受けてB先生は、「合格ラインに満たない4名は補習をしよう」と決めた。

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「平均60点」というテストの結果の事実は同じですが、「分析」をせず「まあいいか」と思ったA先生と、「分析」したことで「1人を除いてみんなだめ」と判断したB先生では真逆の結論になりました


今回の結果は、「分析」をしたB先生の方が合理的であることは明らかですね。

同じ事実を見ても、論理的な思考によって結論が変わることがある

ということがよく分かるのではないでしょうか。

「分析」の実践方法

さて、今回B先生がやった情報の操作が「分析」という論理展開です。

・具体化する
・部分に分ける

この2つの指針にそってB先生が行ったことを見ていきましょう。


まず、B先生は「5人の平均が60点」という事実に対し、「平均が60点って、『具体的』にはどういうこと?」という疑問を持ちました。


この抽象的な情報だけでは何か手を打った方がいいのか、何もしなくていいのかが判断がつかないと思ったわけです。


そこで「5人」というひとまとまりの集団を「1人ずつ」の「部分」に分けてみることにしました。すると

浅田…100点
伊藤…50点
内山…50点
遠藤…50点
大川…50点

という得点であることがわかりました。


「構造化」という論理は、別名「部分と全体の論理」です。


ある情報は、必ず部分と全体の関係で構造化してつなげることが可能です。


ということで、この情報をつなげて整理するとこのような全体像になっていました。

【全体】5人の平均点は60点
┣【部分①】100点…1名
┃ ┗ 浅田
┗【部分②】50点(赤点)…4名
  ┗ 伊藤・内山・遠藤・大川

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このような全体構造が見えれば、補習が必要か否か、必要だとすればそれは誰なのかがひと目で分かります。
 

私たちは「分析」しているか?

この例は非常にわかりやすい例ですが、さて、私たちは日々の生活の中でしっかりと「分析」しているでしょうか?


ニュース然り、SNS然り、人から聞いた話然り、「具体的にいうとどういうことなのか」「部分に分けるとどんな事実が紐付いているのか」と自分の頭で問を立て、自分の手で調べているでしょうか。


多くの方が「やってないことがほとんどだな…」と気づくのではないでしょうか。


私たちが日頃そうしたことをしないのは、ある情報が飛び込んできたときに、それを見ると同時に、自分の整合的な態度を直感的に決めているからです。


例えば、「消費増税の法案が国会に提出されました」というタイトルのニュースを見かけた場合

①増税には賛成だ
②増税には反対だ
③自分には関係のないことだ

おおよそこの3つのどれかの態度を瞬間的に決めています。

「少子高齢化社会において消費税が最も平等な税制だ」
「これ以上税金を増やさないでほしい」
「どうでもいい」

ニュースのタイトルを見た瞬間、直感的にこうした言葉が頭をよぎります。


そして、実際にニュースを読むとなっても、その態度を強化するために記事を読みます

「提出した議員たちはよくわかっているじゃないか」
「いま消費増税するだなんてバカな奴らだ」
「ふーん」

このように、自分の中で態度が決まった状態で情報を取り込んでも、その態度、すなわち自分の中での結論の根拠となる情報ばかりが目に飛び込んできてしまい、異なる立場をより深く理解するための情報は全く頭に残りません


ここでは詳しく解説しませんが、これが「確証バイアス」という認知の働きです。


態度を決め込んで情報に向き合ってしまうと何も頭に入ってきませんので、ここで「構造化の論理」の登場です。

「法案の内容は具体的にはどのようなことが書かれているのだろうか?」
「提出した議員にはどんなメンバーがいるのだろうか?」
「増税を進めようとする根拠は何だろうか?」

など、具体的に「分析」するための問いをたてながらニュースを読むことで、必要な情報が頭の中にしっかりと残ります。


すると、「消費増税に賛成だ!」と思っていた人も「あれ、この内容じゃだめなんじゃないか…?」と思ったり、「増税なんて馬鹿げている!」と思っていた人も「必要だと考える理由もわからなくはない」と新しい理解が出来上がったりします。


自分の持っている態度に都合の良いものばかりをみてしまう「確証バイアス」を避けるためにも、「構造化」という論理的な情報処理の方法をしっかりと身につけ、日々の判断の中で繰り返し使っていきましょう。


そうすることで、少しずつ世界の見え方が変わり、新しい視点・広い視野でよりよいアイデアを考えられるようになっていきます。
 

おわりに

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「構造化の論理」のうち「分析」の具体的な実践方法を解説してきましたが、大切なのは情報が構造化されたイメージを頭の中に持つことです。


考えるべきテーマがあり、それを頂点としたピラミッドが下に広がっていくようなイメージをもつことで、具体的な部分情報の広がりを探してくことができるようになります。


「分析」の次は「総合」についても解説していきますので、TwitterのフォローやSNSでの記事のシェアなどよろしくお願い致します。

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