ウワノキカクのキカクメモ│論理的思考・問題解決のトレーニング

問題解決や論理的思考を探究し続けるブログです。企業でも個人でも、抜本的なビジネス改善から日々のアイデア仕事まで、定めた目的を達成するためのあらゆる営みを「問題解決」と捉えて、理論と実践を一つの体系でシンプルに整理・統合することを目指しています。

「本質」とは何か?│論理的思考がもたらす圧倒的な価値を説明

今回のテーマは「そもそも『本質』ってなんだろう?」です。


論理的思考をトレーニングすることによって「物事の枝葉ではない、本質的なことを考えられるようになる」というのはみなさん「Yes!」なのですが、ここで言っている「本質」という言葉の意味合いをはっきりさせないと、抽象的なことを言って何だか煙に巻いているようにも思えてしまいます。


今回の記事では

✓ 「本質」っていったい何のこと?
✓ 本質思考を身につけるとどんな良いことがあるの?

ということを解説していきます。

「本質」とは何か?

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「本質」とは

はじめに「本質」という言葉を定義しておきます。

◎「本質」とは
物事に普遍的に当てはまる人生を良くする教訓

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このブログで「本質」というときには、この定義の通り2つの側面があります。


1つは「物事に普遍的に当てはまる」という側面です。例えば、ある人が「やきとりはうまい」が本質だと思っていたとしても…

「やきとりなんて大嫌いだ!」
「だいたいおいしいけど、たまひもだけは好きになれない!」

という人がいた時点で例外が発生し、普遍的には当てはまらない、つまり本質ではないということになります。


2つめの側面は「人生を良くする教訓」というところ。仮に「やきとりはうまい」が万国万人共通の事実だったとしても、その知識が人生を良くする教訓かというとそんなことはありません。

「熱い風呂には長時間入れない」
「雨の日に傘をささずに外を歩くと濡れる」

も、普遍的には当てはまるかもしれませんが、人生を良くすることにはつながりませんので、ここでいう本質からは外れます。


「本質=物事に普遍的に当てはまる人生を良くする教訓」という理解で、もう少し具体的に解説していきます。
 

「質より量か、量より質か」問題

ここで「本質」という言葉のニュアンスをより深く理解するために、具体的な例をもとに考えを進めていきます。


ビジネスの世界ではよく「質より量だ!」「いやいや、量より質だ!」という「量か質か」の対立ががあります。私の経験では「質より量」派が優勢で、具体的には…

・コピーライターはとにかくコピーを100案つくるべし(広告業界の教え)
・ブロガーは100記事書いてやっとスタートライン(ブログ・アフィリエイト業界)
・考えても無駄だからとにかくたくさん行動すること(若手起業家業界)

といった教えが流布しています。

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では、そう言っている人たちがみんな質をおろそかにしているかというと、決してそんなことはないのも事実です。「一球入魂」という言葉があるように、むしろ、誰よりも1つの企画に対して丁寧に検討を重ね、磨き上げているようにすら見えます。


つまり、言っていることとやっていることに矛盾が生じている(ように見える)のです。もちろん、言っている本人はよく理解しているため、「こういう人にとっては~」という前提を区切って、実践的な教訓として発信していますが、いずれにせよ「大事なのは量なのか質なのか?」という問いには明確な答えはありません
 

本質は「試行錯誤が人を最も成長させる」

さて、この明確な問いに答えが出せないのでしょうか?それは、この問い自体が答えの出ない、本質的でない問いだからです。質と量を対立させたところで、どちらも単独で本質的な要素でないために1つを選ぶことができないのです。


では、「量と質の対立」の本質、すなわち、物事に普遍的に当てはまる人生を良くする教訓は何でしょうか?それは「試行錯誤が人を最も成長させる」です。


試行錯誤は「仮説検証」という言葉に置き換えた方が、より明確に理解できます。行動の前にまず「こうすればこうなるはず。なぜならば」としっかりと考えて仮説を立てる。その上で、仮説に沿って行動する。その結果を確認し、何がよかったのか、何がよくなかったのかを考え、次の仮説に反映する。この仮説検証の一連のサイクルを回すことが何よりの学びであり、これを丁寧により多く繰り返すことが最も早い成長につながる。これが「量か質か」の本質です。

blog.uwanokikaku.xyz

言うならば、「量か質か」の答えは「量も質も」です。どちらも二者択一で切り捨てることのできない、「2つセットで重要なもの」なのです。この本質を理解しないままに

「○○さんが『質より量だ!』といっていたから、これから1年間とにかく何も考えずたくさん企画を考えよう!」

ではだめなのです。もちろん、その過程の中で「なーんだ、量も質も大事じゃないか」と気づく人もいるでしょう。初心者だった自分に「質より量だ」と言ってくれた○○さんの真の意図も、その頃にはわかるかもしれません。

本質思考の必要性

しかし、です。もし、「量も質も大事だ」という本質に気づけずに1年間が過ぎてしまったらどうなるでしょうか?1年後に振り返って

「言われたとおりにやってみたけれど、全然ダメじゃないか…」
「○○さんはインチキだ」
「自分には才能がないからダメなんだ」

と、1年という膨大な時間を失った上に間違った結論にたどり着いてしまうおそれは十分にあります


これは、笑い事ではありませんよ。


私たちの人生で本質的に有限なのは、お金や人間関係ではなく、時間です。その時間を無駄なことに使ってしまうことが、人生で最もやってはいけないことです。つまり、一番大切な時間という資源を最大限活用するためにも、物事の「本質」をいち早く見抜く能力が私たちには必要なのです。


今回は「量か質か」という身近でわかりやすい例で考えたために

「自分はこんな馬鹿じゃない」

と他人事に思った方もいるかもしれません(逆に「これはまずい…」と感じた方は鋭いですよね)。しかし、私たちは日々新たなことにチャレンジする必要がありますし、その中でいろいろな人から教えを受けています。その教えを真に受けてしまうか、自分の頭で本質を考えて見抜けるかで、その後の人生が大きく変わってきます


もし「本質思考が自分には必要だ」と感じた方は、以降を読み進めながら一緒に学んでいければと思います。

POINT

✓ 本質とは「物事に普遍的に当てはまる人生を良くする教訓」のこと
✓ 本質的でないことを考えても答えはみつからないし、本質的でない教えを真に受け続けると人生の時間が無駄になる

本質思考を学ぶメリット

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ということで、本質思考の具体的な内容はこの次の記事である「本質を見つける思考法│理由を問い、思考の抽象度を上げよ」を見ていただくとして、残りのパートでは「本質思考を学ぶメリット」をさらっと解説します。
 
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①無駄な時間がなくなる

「量だ大事だ!」と信じて何も考えずに行動を繰り返す人の例をだしましたが、自分で物事の本質が見抜けるようになると無駄なことに時間を使わなくて済みます。これは逆に言えば価値あることだけに時間が使えるということです。

物事の本質を捉えることで

「これは自分にとって意味のあることだろうか?」
「ここから価値のある学びが得られるだろうか?」

と判断できるようになりますので、時間が経つごとに本質思考のできる人とできない人の人生の差は広がっていきます

②1つのことに集中できる

本質が見抜けるようになると、その時々の自分にとって最も価値があること1つに全力投球することができます。「あれもこれも」をお手玉のように繰り返すことなく、たった1つのことに集中しながらも、しっかりと成果が出続ける。大事なことが見えていれば、そこだけに全エネルギーを投下して、毎日の充実と成長を両立させることができます。

③最速で成果が出る

「時間を無駄にしない」「1つのことに集中できる」ということの結果によって、必然的に最速で成果が出ます


自分が使える時間がすべて価値あることに費やされ、そして1つずつ集中して取り組むことができれば、その人が持っているパフォーマンスを最大限引き出しているはずですね。したがって、その人が本来持っている力の上限ギリギリまで能力を発揮できますので、論理的にはそれが最速です。自分のパフォーマンスを向上させたい人には必須の思考スキルです。

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POINT

✓ 本質思考を身につけることで人生の時間を最も有効につかうことができる

おわりに

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いかがでしたでしょうか?「より少なく、より多く」を成し遂げるための本質思考の意義を説明してきました。本質的なことだけに有限な時間を使うことによって成果を出していくという生き方にチャレンジしたい人には、以下の本もおすすめです。

引き続き「本質思考」を学んでいきたい方は、以下のリンクから「本質思考」の第2講に進んで行きましょう。

論理的思考・問題解決基礎講座