【更新】2019-12-02
本質思考で物事の枝葉ではない、本質的なことを考えられるようになる
そこでこの記事では
・「本質」っていったい何のこと?
・本質思考を身につけるとどんな良いことがあるの?
を解説していきます。
「本質」とは何か?
「本質」とは
はじめに「本質」という言葉を定義しておきます。
「本質」とは
人生の教訓となる普遍的法則
このブログで「本質」というときには、この定義の通り2つの側面を重視します。
普遍的法則
1つは「普遍的法則」という側面です。例えば、ある人が
やきとりはうまい!
「やきとりなんて大嫌いだ!」
「大体はおいしいけど、たまひもだけは好きになれない!」
という人がいた時点で例外が発生し、普遍的法則ではありません。つまり本質ではないということになります。
人生の教訓
2つめの側面は「人生の教訓」というところ。仮に「やきとりはうまい」が万国万人共通の事実だったとしても、その知識が「人生を良くする教訓か?」というとそんなことはありません。
「雨の日に傘をささずに外を歩くと濡れる」
「生物一般に比べてノミの跳躍力は高い」
も、普遍的には当てはまるかもしれませんが、そのままでは人生を良くすることにはつながりませんので、ここでいう本質からは外れます。
本質はどちら?-「質より量か、量より質か」問題
「質より量か、量より質か」問題
「本質=人生を良くする教訓となる普遍的法則」という理解で、もう少し具体的に解説していきます。
ビジネスの世界ではよく
質より量だ!
いやいや、量より質だ!
「質より量」派の教訓例
・コピーライターはとにかくコピーを100案つくるべし【広告業界の教訓】
・ゼロクリアを繰り返しながら徹底的に考えろ【コンサル業界の教訓】
・ブロガーは100記事書いてやっとスタートライン【ブログ・アフィリエイト業界の教訓】
・考えても時間の無駄。とにかくたくさん行動すること【若手起業家業界の教訓】
といった教えが流布しています。
では、そう言っている人たちがみんな質をおろそかにしているかというと、決してそんなことはないのも事実です。「一球入魂」という言葉があるように、むしろ、そうしたエクセレントな人たちこそ誰よりも1つの企画に対して丁寧に検討を重ね、磨き上げているようにすら見えます。
言っていることとやっていることが矛盾している!
本質は「試行錯誤が人を最も成長させる」
結論から言えば、この問い自体が答えの出ない、本質的でない問いだと捉えるべきです。
・質を上げる
・量を増やす
を対立させたところで、どちらも単独で本質的な要素でないため、普遍的な1つを選ぶことができないのです。
では、「量と質の対立」の本質、すなわち、人生を良くする教訓となる普遍的法則は何でしょうか?それは
仮説検証を伴う試行錯誤が人を最速で成長させる
です。行動の前にまず
こうすればこうなるはず。なぜならば…
○○さんが「質より量で100記事書け!」といっていたから、これから1年間とにかく何も考えずたくさん記事を書こう!
もちろん、その過程の中で「なーんだ、量も質も大事じゃないか」と気づく人もいるでしょう。初心者だった自分に「質より量だ」と言ってくれた○○さんの真の意図も、その頃にはわかるかもしれません…。
本質思考の必要性
しかし、です。もし仮説検証という本質に気づけずに100記事を書き終えてしまったらどうなるでしょうか?振り返って
「言われたとおりにやってみたけれど、全然ダメじゃないか…」
「○○さんはインチキだ」
「自分には才能がないからダメなんだ」
と、100記事分の膨大な時間を失った上に、間違った結論にたどり着いてしまうおそれは十分にあります。
私たちの人生で本質的に有限なのは時間です。つまり、一番大切な時間という資源を最大限活用するためにも、物事の「本質」をいち早く見抜く能力は「あればいい」ではなく「必要」なのです。
今回は「量か質か」という身近でわかりやすい例で考えたために
自分はこんな馬鹿じゃないし大丈夫!
本質思考を学ぶメリット
ということで、本質思考の具体的な内容はこの次の記事である「本質を見つける思考法│理由を問い、思考の抽象度を上げよ」を見ていただくとして、残りのパートでは本質思考を学ぶメリットをさらっと解説します。
①無駄な時間がなくなる
「量が大事だ!」と信じこむ悲惨な例を出しましたが、自分で物事の本質が見抜けるようになると無駄なことに時間を使わなくて済みます。逆に言えば価値あることだけに時間が使えるということです。
物事の本質を捉えることで
「これは自分にとって意味のあることだろうか?」
「ここから価値のある学びが得られるだろうか?」
ふぁ判断できるようになりますので、時間が経つごとに本質思考のできる人とできない人の人生の差は広がっていきます。
②1つのことに集中できる
本質が見抜けると、その時々の自分にとって最も価値があること1つに全力投球することができます。
「あれもこれも」をお手玉のように繰り返すことなく、たった1つのことに集中しながらも、しっかりと成果が出続ける。大事なことが見えていれば、そこだけに全エネルギーを投下して、毎日の充実と成長を両立させることができます。
③最速で成果が出る
「時間を無駄にしない」「1つのことに集中できる」ということの当然の結果によって、必然的に最速で成果が出るといえます。
①自分が使える時間がすべて価値あることに費やされる
かつ
②1つずつ集中して取り組むこと
ならば
③最速で成果が出る
なぜならば
その人が持っているパフォーマンスを最大限引き出しているから
その人が本来持っている力の上限ギリギリまで能力を発揮できますので、論理的にはそれが最速です。自分のパフォーマンスを向上させたい人には必須の思考スキルです。
おわりに
いかがでしたでしょうか?「より少なく、より多く」を成し遂げるための本質思考の意義を説明してきました。
引き続き「本質思考」を学んでいきたい方は、以下のリンクから「本質思考」の第2講に進んで行きましょう。
<基礎講座>
◆本質思考の基礎講座│抽象的思考を使いこなし、本質を見つける人の発想法
◆【第1講】「本質」とは何かを理解する
◆【第2講】「本質」の活用方法を理解する
◆【第3講】「本質的な理由」という考え方を理解する
◆【第4講】「本質」を自分で見つける方法を理解する
<コラム>
◆ちきりん氏「思考時代」に求められるのは価値体系を創り上げる「思想」の力
◆前提条件とロジックを自分の頭で整理する力が思考力であり理解力│箕輪氏『死ぬカス』に学ぶ
◆「コスパのいい知識を身に着けよう」というお話│抽象度の高い知識と思考の使い方
◆思考の抽象度が高い人の10の特徴│本質思考のリアルを知る
◆思考の抽象度を上げ、本質を捉える4つのコツ│抽象化能力・本質思考力の鍛え方
◆メタ認知能力をトレーニングする4つの方法
◆矛盾や対立があるところに本質がある
◆「自分のアタマで考える」とは?│本質思考としての批判的思考
◆「バカと言ったほうがバカ」の真理│本質思考を支える知的態度
<まとめ>
◆思考の教科書【全体解説】
◆本質思考の基礎講座│抽象的思考を使いこなし、本質を見つける人の発想法まとめ
◆仮説思考の基礎講座│知的好奇心を武器に自分の頭で考える人の発想法まとめ
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