ウワノキカクのキカクメモ│論理的思考・問題解決のトレーニング

問題解決や論理的思考を探究し続けるブログです。企業でも個人でも、抜本的なビジネス改善から日々のアイデア仕事まで、定めた目的を達成するためのあらゆる営みを「問題解決」と捉えて、理論と実践を一つの体系でシンプルに整理・統合することを目指しています。

「矛盾・対立」から本質を見抜くにはどう考えればいいか?│本質思考の実践

高い成果を上げるAさんとBさん。出している成果はいずれも目覚ましいものなのに、2人が言う「成功するには~が大事!」の「~」の内容は全く逆のこと。一体どちらが正しいのだろうかと悩むことはないでしょうか。
 
 
今回は、「一見矛盾・対立した情報に出会ったときこそ、一歩踏み込んで考えを進めてみよう!」という、問題解決・論理的思考の実践コラムでございます。

「矛盾・対立」から本質を見抜くにはどう考えればいいか?

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では、どうやって一歩踏み込んで考えるのかというと、「A・Bの両方がうまくいくと仮定して、『第三の理由』を探る!」という考え方を使っていきます。
 
 
AもBも、どちらもよい結果に結びつくとする。そのとき、もし物事には原因が2つ(以上)あるというのであれば、それは何だろうか?」と、A・Bに組み合わせられる「第三の理由」考えてみるのがこの思考法です。「結果につながる本質は、A・Bの主張とは別のところにあるのでは?」と考えるわけですな。
 
 
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このときのポイントは、「人間は、自分の行動をよくわかっていない」という前提に立って、その人の行動を徹底的に観察すること。
 
 
A⇔Bという対立は、その人たちが意識的に心がけていることのはず。そこに矛盾や対立があるように見えるなら、その人たちが意識していない領域に「結果を生み出す共通の何か」があると考えるわけです。
 
 
 
 

ケース 営業で大事なのは「“直感”だ!」「いやいや“論理”だ!」

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今回の事例は、広告会社の企画提案で高い成果を出すAさん・Bさんのお話です。
 
 

ケース
ある広告会社の営業部には、非常に高い成果を出す2人の営業マン、Aさん・Bさんがいます。
 
 
Aさんは直感派。自分の直感が良いと認めた企画だけに絞り込み、情熱的なプレゼンをします。Aさんのプレゼンを聞いたクライアントは「感動した。Aさんがそこまで私たちのことを考えて言ってくれるなら間違いない」と、Aさんの提案を受け入れます。
 
 
一方Bさんは論理派。企画を論理的に考察し、「なぜこの企画が良いのか」を言葉やデータで論理的に説明します。Bさんのプレゼンを聞いたクライアントは「いろいろな企画があったが、Bさんの説明が唯一嘘偽りのない、心から納得できる内容だった」と、Bさんの提案を評価します。
 
 
この2人に、それぞれ営業の秘訣を尋ねると、Aさんは「直感に従うことが大事」、Bさんは「論理的に考えることが大事」と、正反対のことをいいます。2人とも、特定のクライアントではなく、様々な業種業態の企業、担当者から高い成約率を獲得しているとします。では、この直感派・論理派の2人から一体何が本質として学べるでしょうか?

 
 
こういった現場は、実際のビジネスでは非常によくあることです。いずれもやり方は真逆に見えますが、一体何が本質でしょうか。そこで「結果につながる本質は、A・Bの主張とは別のところにあるのでは?」と仮設を立て、現実を観察しながら「第三の理由」を探ります
 
 
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まず、明らかに観察できることとして、クライアントの反応に着目します。
 
 

クライアントの反応
「感動した。Aさんがそこまで私たちのことを考えて言ってくれるなら間違いない
「いろいろな企画があったが、Bさんの説明が唯一嘘偽りのない、心から納得できる内容だった」

 
 
ここで読み取れるのは、「間違いない」「心から納得」といった発言です。つまり、いずれのクライアントも「自分の選択が正しいと自信を持っている」ということが共通しています。これが、契約に直結しているポイントです。
 
 
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では、それは何によってもたらされているのでしょうか? ここで、ケースの続きを見てみましょう。
 
 

ケース(続き)
Aさん・Bさんをよく知っている2人の共通の上司は、2人の仕事の仕方について、以下の様に言っています。
 
 
「Aは、とにかく自分の脚で情報を動かしている。クライアントに毎日通って相手の意見や要望を聞く。社内にそれをすぐにフィードバックして、チームのみんなを徹底的考えさせる。上がってきた企画に妥協がないか、齟齬がないかを緻密に判断して、相手が『これが欲しかった!』と思う提案をつくるのが上手い。」
 
 
「Bは、とにかく幅広い視点で考えるのが得意だ。1つの企画に対して要求されている以上に様々なターゲットの視点で考え、ネガティブな要素はないか、もっとわかりやすくすることはできないかと考え抜いている。結果、相手が思いつかなかった盲点を突いた提案を出し続けている。」

 
 
いかがでしょうか?
 
 
ここから見えてきた2人に共通している「第三の理由」とは、「相手の立場で徹底的に考え抜いている」ということです。その手段として、自分の得意な「脚で情報を動かす」「様々な視点で考える」など、やり方には違いがあります。しかし、費やしている時間や熱量、仕事をする上でのスタンスには共通したものがあるようです。
 
 
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まとめ

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この様に、A⇔Bのように矛盾・対立しているように見えるものにも、「何か共通の原因となる本質があるはずだ」と考えることで、思考が一段上のレベルに上がることがあります。
 
 
むしろ、矛盾・対立しているように見えるときこそ、考えを深めるチャンスだと思えるようになると、問題解決能力、論理的思考力を自分の力で効率よく高めていくことができるようになります。なぜなら、世の中には矛盾・対立があふれているから。あらゆる機会を思考の糧として使えるようになれば、その成長も加速していくこと間違いなしです。
 
 

「因果関係の思考」を学ぶには? 参考図書一覧

この一連の記事では、原因と結果を分析する論理である「原因と結果の論理」を扱っています。


この考え方は、『ザ・ゴール』の著者でありTOC(制約理論)の生みの親であるエリヤフ・ゴールドラット博士により「思考プロセス」という名称で体系化されました。


日本ではまだ体系的に学べる書籍は少なく、関連書籍が数冊が出ている程度ですので、おすすめなものを以下にてご紹介します。
 
 

「因果関係の思考って、そもそもなあに?」

『ザ・ゴール2』エリヤフ・ゴールドラット 著
『ザ・ゴール2 コミック版』エリヤフ・ゴールドラット 著 岸良裕司 監修

「具体的な使い方を基礎から学びたい!」

『考える力をつける3つの道具』岸良裕司 著
『世界で800万人が実践! 考える力の育て方――ものごとを論理的にとらえ、目標達成できる子になる』飛田基 著

「これはぜひともうちの子どもにも学ばせたい!」

『子どもの考える力をつける 3つの秘密道具 お悩み解決! ! にゃんと探偵団』岸良裕司 著

「因果関係の思考のプロ」として理論と実践方法を突き詰める

『頭のいい人の思考プロセス―すぐに使える、図と論理の問題解決スキル』リサ・J. シェインコフ 著
『ゴールドラット博士の論理思考プロセス―TOCで最強の会社を創り出せ!』H.ウイリアム デトマー 著